剣術披露大会 その1
遅くなりました...!
構想を練っていたら、時間がかかってしまいました...
あと、アクセスありがとうございます!
頑張りますよー!
「明日はいよいよ剣術披露大会だねー」
カーラは寝ながら言った。
「そうだね」
僕は色々と考えていた。
仮面の貴公子...なにか気になる。
ベテランで出ると言ってたけど、そうなるとカチュとも戦う事になるだろう。
実力は分からない。少なくともカチュは弱くはない。
とりあえずカチュを応援するとして、今は自分の心配をしないと...
勝利条件は相手の剣を落とす事と、相手が降参する事。
一本勝負だから手は抜けない。抜けないが...相手を傷付けたり殺したりできない分、相当苦労しそうだ。
もし仮に自分が熱くなって、相手を殺したりでもすれば自分は脱落どころか牢屋行きだ。
明日は力をセーブしないと...
「...もう寝た?」
カーラがこちらに寄ってきた。
「...」
自分は黙ってる事にした。
一体どうしたんだろう。
「あの時、私とカチュに土飛ばしたでしょ」
ま、まさか根に持ってるの?
思わず言いそうになったが、狸寝入りすることにした。
「...ま、いいか。抱きしめられちゃったし...えへへ」
カーラがくねくねしているのが分かった。
あの時は全然気付かなかった。
ただこちらに引き寄せようとしたら体がくっついていたなんて...
...あったかかったなぁ
「えへへ...おやすみ、ラク」
カーラはそういうと、さっと元の場所に戻った。
明日は大会だ...
「いつかここで戦ってみたかったんだぁ...」
カーラはそう呟いた。
剣術披露大会の場所は王城の庭。
庭といってもかなり広く、というか、大会の為にあるような造りになっている。
人が沢山入れるように観客席まである始末。
こりゃ凄い...と言いたくなるほどだ。
「この大会を見るためのチケット、幾らだと思う?」
カーラが僕に言ってきた。
「えーと...1000ゴールド?」
「やっすいなー、考えが安いね」
ちっちっち、という仕草をすると、カーラは言った。
「ズバリ、5000ゴールド!凄いでしょ」
カーラは鼻高々に言った。
「なんでそんなに自慢げに言うんだよ...」
僕は呆れたように言った。
「大会を見るためだけに、わざわざ遠くから来る人だっているんだよ!」
カーラは話し続けている。
どうやら、大会について色々と詳しいみたいだ。
大会への気持ちが伝わってくる。
「まぁいいからさ、とりあえず中入ろう?」
僕はカーラをたしなめ、王城に入っていった。
「えーと、カーラ様とラク様ですね」
係員は選手の確認をした。
「はい!」
カーラは元気よく応答した。
「では、こちらへどうぞ」
僕とカーラは、別々に部屋に通された。
「では、この控え室で暫く待機しておいて下さい」
王城の中はかなり広く、沢山部屋があった。
下手に外に出れば迷いそうだ。
「暫く待つかぁ...」
僕はそう呟いた。
部屋の内装も綺麗なのだろうが、僕は見ることができない。
目が見えないのが悔やまれる...
暫くしたら、係員が部屋に入ってきた。
「ラク様、もうそろそろ試合です。こちらへどうぞ」
僕は係員についていった。
係員がいなくても庭に行けるように道を憶えておこう...
観客の凄まじい声が聞こえる。
数え切れないほど観客がいるのがわかる。
どうやら、城の上から王が観戦しているらしい。
くっきりと見えるという事は、魔法が使えるということか...
すると、王が話始めた。
「えー、これから第30回剣術披露大会を始める!」
そういうと王はなにか魔法を唱え、空に打ち上げた。
打ち上げた魔法が空で弾け、様々な模様になった。
これなら自分でもみえる。
なかなか綺麗だ...
弾けると同時に、観客が騒ぎ始めた。
「変わりまして、私公平に決めるのがモットーのフェアがお送り致します!」
空に突然、何かが映り始めた。
自分には分からないが、どうやら魔法でこの光景を映しているらしい。
「それでは選手の紹介を致しましょう!」
すると、僕は後ろから係員に言われた。
「今からフェアさんが貴方の説明をするので、説明が終わったタイミングで出てきてください」
僕はわかった、と言うと「では、健闘を祈ります」と言って奥の方に消えてしまった。
「突如現れた謎の男!颯爽と現れ、なんと、あのトロルを討ち取りました!謎のルーキー、その名もー!ラク選手ー!」
そう言い終わると僕は庭に出た。
ワァァァと湧き上がる声援。
「頑張れー!」
「いいとこ見せろー!」
なんだか、すごくドキドキしてきた...
「続いてはー!」
フェアは相手の説明をするようだ。
「こちらも今回初入場です!依頼をこなしてはや3年!黙々と鍛え上げた筋肉はもはや巨人級!ノマル選手です!」
普通そう、と言ったのは名前の事だったのか...
「ふーっ、ふーっ...」
物凄く鼻息が荒い。
そういえばこんなのが酒場にいた気がしなくもない...
ぼやけてみえるから、魔法は使えないんだろう。この試合では関係ないが...
「トロルを殺したからって、調子に乗るなよ...!」
自分に対する敵意が凄い...
体格もそうだが、剣の大きさも尋常ではない。
「すぐに終わらせてやる...!」
男はさらに鼻息を荒くした。
「では、勝負...」
緊張が走る。だが、それでも落ち着いた態度で敵を定めた。
「始め!」
そういうと、男は猛烈な勢いで剣を振り下ろした。
僕は咄嗟に剣で受け止めた。
ガギィンという鈍い音がした。
「おら...どうしたどうしたぁ!」
男は体重をかけてくる。
力も尋常じゃないが、体重もかけてくると、尚更威力も増す。
「まずい...」
僕は押され気味だった。
「いけー!」
「そのまま押し潰せー!」
押し潰したら失格だけどね...
だが...これがいい。これこそが戦いだ。
僕は熱くなってきた。
「お?」
男は気付いた。
段々振り下ろした剣が上に来ている事に。
つまり、押し返してきている、という事だ。
「オォォ!」
僕は雄叫びをあげると、剣を上に弾いた。
「ぐっ...調子に乗るな!」
男は弾かれた剣をまた振り下ろした。
それを待っていた。
僕は剣を強めに上に振り上げた。
「な...!」
男の剣は上に弾かれ、そのまま地面に落ちた。
「勝負あり!」
観客が沸き立った。
「あのルーキーやるな!」
「強ぇ...!」
僕は何だか恥ずかしくなってしまった。
普段そんな大勢の前に出るなんてこと無いから、恥ずかしくなっても不思議じゃない...はず。
「そんな...俺の...3年...」
男が震えるような声で言った。
フェアがこちらに向かってきた。
「いやー、一瞬の出来事でしたね!ではラク選手、次の試合に向けてなにか一言!」
フェアが魔法の結晶をこちらに渡してきた。
この結晶にはおそらく、集音魔法か何かが宿っているんだろう。
僕は剣を収め、結晶を取った。
「え、えぇと...次も頑張りましゅ!」
...噛んでしまった。
歓声に笑い声が混じった。
「...俺の3年...」
男がまだ何か言っている。
「ではノマル選手、ご退場を...」
「俺の3年を返せぇぇぇ!」
そういうと男は剣を取り、こちらに突っ込んできた。
剣を抜く時間は無い。こうなれば...
「ハァァァ...」
僕は全身に力を溜めた。
「死ねぇぇぇぇぇ!」
そして剣を振り下ろそうとしたその一瞬をついて、僕はみぞおちに拳をいれた。
「あがぁぁぁぁ...」
すると男は吹っ飛ばされ、壁に当たった。
「け、警備兵!ノマル選手をすぐに連れ出しなさい!」
フェアがそういうと、男は4人ばかりの兵士に担がれ、場外に出た...
「...にしても物凄い力ですね!」
フェアがこちらに言ってきた。
「...まぁ、拳を使ってしまいましたけどね」
「大丈夫です!なんせこれも、拳術ですからね!」
僕は思わず、「うまい...」と言ってしまった。
「ラク選手、そろそろお時間です」
1時間後、僕はまた係員に呼ばれた。
「あの...カーラは勝ちましたか?」
「はい、あの方は奇妙な剣術をお持ちですね」
係員からカーラが勝ったことを聞くと、僕は安堵した。
このまま勝ち進めば、後2戦すればカーラと当たるはずだ。
そして、カーラとの戦いで、優勝が決まるだろう...
「では、こちらへ」
僕は係員についていった。
「...先程の試合、見事でした。咄嗟にあの対応が出来るのは素晴らしい事です」
係員が僕に称賛の言葉を送った。
「ありがとうございます」
僕はそう答えた。やっぱり褒められるのはなれない。
「...ですが、次はこうは行かないかも知れませんよ」
係員は言った。
「次はいわゆるスピードタイプです。なんでも、剣を振る速さは隼をも越すと言われております」
「情報ありがとうございます。でも、なぜ僕に教えてくれるんですか?」
少しの静寂のあと、こう答えた。
「...あまり大きな声では言えないのですが、実は仲間と、誰が優勝するのか賭けてまして...」
あぁ、なるほど。この人は僕に賭けているのか...
「わかりました。あなたに大損はさせませんよ!」
僕はそういうと係員は、
「はい、期待していますよ。私の3ヶ月分の給料の行方は貴方にかかっていますから」
と、念を押すように言った。
「さて、ルーキークラス最後の試合です!」
試合は前半と後半、2日に分けられている。
僕の試合か終わった後、ノーマルクラスの試合が始まる。
1日目でルーキー、ノーマル、ベテランの前半を終わらせ、2日目で後半を終わらせる感じだ。
「諦めの悪い男を鉄拳制裁!秘められた力を持つ男!ラク選手ー!」
「では、頑張ってくださいね...」
僕は係員に応援されながら、庭に出た。
1試合目よりも大きな声援が響いた。
「ラクー!」
「頑張れー!」
「続いては、あの連撃を凌げるものはいるのか!?隼の剣術士、イグル選手ー!」
「キャーー!イグル様ーー!」
「そんなイモ野郎に負けるなぁー!」
どうやら女性に人気らしい。
「ふっ...華麗に決めてあげるよ」
顔は分からないが、きっとカッコイイのだろう。
じゃないとこんなにキザな感じは出せない。
「それでは勝負...」
1試合目と同じ、体に緊張が走る。
だか、1試合目よりは慣れた。
「初め!」
「さぁ、怖がらないで...すぐに終わらせてあげるよ」
男は剣を僕に向けている。
どうやら僕の出方を見ているようだ。
下手に出れば弾かれる。どう行こうか...
真正面から行くのはあまり得策ではない。
だから、素早く横に行って相手の攻撃を見ることにしよう。
僕はさっと男の横に行き、軽く小手調べに剣を振った。
「ノロい、ノロいよ君!」
男は僕の剣を弾くだけでなく、自分にラッシュをかけてきた。
「くっ...」
「ほぅ...やるねぇ、君」
物凄い速い。防御するだけで手一杯だ。
「キャー!凄いわー!」
「スライスされるのも時間の問題ね」
スライスされたら溜まったものじゃないけどね。
...だけど、なにかが見いだせるはず。
僕はしばらくラッシュを受け続けた。
「ほらほら、まだまだいくよ!」
ラッシュがもっと速くなった。
だが、お陰でだんだん慣れてきた。
慣れてきたというより、剣のクセがだんだん分かってきた。
ランダムで出してきているのではなく、時計回りで斬撃を5回した後、反時計回りで3回斬撃、これの繰り返しだ。
「おや...っ」
僕は攻撃に合わせて、的確に弱い部分、つまりリズムがくずれる部分に斬撃をした。
「ハァ...ハァ...こいつ...何故見切れる...」
僕にはもはや斬撃は当たらなかった。
スタミナがなくなり、斬撃が鈍くなった所を
狙い、思い切り剣を弾いた。
「ぐぅっ...」
「勝負あり!勝者は...ラク選手ー!」
またしても凄まじい歓声が響いた。
だが、女性からはブーイングは聞こえた...
「強いね君...僕の完敗だよ」
男は立ち上がり、健闘を祈る、と言った後退場した。
「負けた姿もかっこいいわー!」
「イグル様愛してるー!」
...負けてもなお、声援を受けるとは...
ちょっぴり羨ましかった。
だが、自分はそれよりも大きな歓声をもらっている。
俄然、優勝する気持ちが湧いてきた。
「ではラク選手、明日に向けて何か一言!」
「絶対優勝するぞー!」
僕がそう言って拳を掲げると、観客も、
「その調子で頑張れーー!」
「お前なら行けるぞーー!」
と、大きな声で言ってきた。
僕はますます熱くなった。
その2は明日、書かせて貰います。
流石に1日でこの量の小説を2回書くのは辛いです...
構想は出来上がっているので、大体19時位から書き始めたいと思います。