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落ちた男の奇妙な運命  作者: 六等星の鷲座
王国ラムライズ編
7/23

勝つ為の努力

小説を書いてたら気付いたら1時間はたっていた...って、書く人からしたらあるあるだと思います。

あと、小説の長さがバラバラになっちゃう...

思いついたものをバンバン入れるのは書いてて楽しいけど最後の確認の時に大変なんだよね...

あ、今これを読んでる人、ありがとうございます!

まだまだ続きますよ。

「いやー、楽しかったねー」

カーラは3人で食卓を囲むのは初めてだったらしい。

終始楽しく僕やカチュとお喋りしながら、ご飯を食べていた。

女らしからぬスピードで。

お陰で多めに炊いといたご飯が無くなってしまった。

「そういえばさー」

カーラは剣を磨きながら話しかけてきた。

「トロルの時といい、ラクって魔物と戦う度に強くなってない?」

「うん、自分でもそう思うよ」

僕はこれまでの戦いを振り返ってみた。

スライムでは、正確にナイフを投げる技術を学んだ。

ゴブリンでは、複数の敵を一気に倒す技術を学び、トロルでは真空刃を出す技術を学んだ。

...学んだというかなんというか、元々これらは出来た気がする...

自分では分かってないけど、きっと記憶を失う前は、自分は相当な実力を持っていたんだろう。

...そうじゃないと、咄嗟にあんな事は出来ないよね。

「...ところでさ、トロルに叩きつけられてた時さ、ラク、笑ってたんだよ? 」

「そうなの?」

「うん、満足感を得たような顔だったよ?」

「へ、へぇー...」

「...もしかしてマゾ?」

「違うわ!」

あの時は殴られて、痛みを感じると同時に、体が熱くなって...

なんというか、喧嘩してだんだん熱くなっていくみたいな感覚だった。

「凄い速さで剣を振ってたし...凄く高く飛んでたんだよ?」

「うん、自分でもびっくりしてたよ」

「もう1回真空刃だせる?」

「なんでそんな事聞くの?」

「ちょっと見てみたいなーなんて...」

僕はカーラと一緒に外に出た。

「もうすぐ夜になっちゃう!急いで急いで!」

もうすぐ日が暮れるらしい。

急かされた僕は、長剣を思い切り縦に振った。

ゴオォという音と共に、切り裂いた空気が刃として飛んでいくのが分かった。

その後、刃が木に当たって、ズバァという音が聞こえた後に木が倒れた。

「凄い...」

カーラは驚いていた。

僕も改めて、自分は一体何者なのか、疑問に思った...






「おう、お前らが来るのを待っていたぞ」

管理人が僕達を待っていた?

何故だろう?

「え?私達を?」

カーラも何故待っていたのか分からないらしい。

「王国の兵士になる為に必要な物って何か、知ってるよな?」

「そりゃ勿論!」

カーラは声を大きくしてやや興奮気味に答えた。

「1つは実績、もう1つは実力!」

「そうだ。実績はともかく、実力を測る試験として、剣術披露大会があるのも知ってるよな?」

「ええ!私はいつかそこに出て、王国の兵士になるのが夢なの!」

「お前の夢なんざ知らないが、喜べ。お前のその夢とやらが叶うチャンス到来だ」

「...え?」

カーラは驚いているようだ。

「しかも、お前ら二人にな」

...僕にも?

「ラクも!?」

僕も呼ばれるということは、実績がある、という事だ。

多分、下級傭兵である自分がトロルを倒しているからだろう。

「で、大会は実力に合わせて3つのクラスがあるだろ?」

「うんうん、で?私は何処のクラスなの?まさかベテランじゃないし...ノーマル?」

「馬鹿だな、お前はルーキーだよ」

「なっ...ルーキー!?」

「因みに、お前もルーキーな」

僕もルーキークラスにでるらしい。

まぁ、この前傭兵についたものが出られるだけでも凄いと自分でも思うけど...

「でも、ラクとダブルで出るのかぁ...くぅー、楽しみになってきたね!」

カーラは何となくソワソワしている。

「まぁ落ち着けよ。お前らはダブルで招待が来てるんじゃない。シングルだ」

「え?ということは...」

カーラはみるみる元気が無くなってきた。

「そう、1人のうち一位に慣れるのは1人だけだ」

「そんなぁ...どうしてダブルで来なかったの!?」

「俺に言われても知らん。きっとこいつの活躍で、お前とペアを組んでいるって事が影になって王に伝わって無かったんじゃねぇか?」

カーラは唸っている。

「うぐぐぅ...」

「ま、なんだ。まだ大会まで時間はあるし、二人で武器の練習がてら試合でもすればいいんじゃねぇか?」

「ラクと...?無理無理無理!」

カーラは昨日の出来事を思い出して、僕とカーラの実力の差を感じているらしい。

「まぁまぁ、そう言わずに」

僕はカーラをなだめるように言った。

「うう...手加減してよ?」

「さぁ、試合するんならこんなところに居ないでさっさとどっかに行くんだな」

僕とカーラは酒場を出た。

「...」

どうやら彼女は、カーラとの試合が気になるらしい。







僕とカーラは、パープル平原で魔物が近くに居ないことを確認してから試合を始めた。

「一応怪我しないように、お互い木刀でやるよ?」

「うん、分かった」

「あと、君はハンデとして私の木刀より短いものを使って貰います」

ハンデ、と言うよりは僕が真空刃を出さない為の対策と言ってもいいだろう。

まぁ、あの切れ味なら怖がるのも無理はないよね...

「じゃあ、行くよ!」

カーラは勢いよく切りつけようとして、躓いて転んでしまった。

「だ、大丈夫?」

僕はカーラに駆け寄った。

「うぐぐ...と思わせといてスキあり!」

カーラは僕に突きを出した。

「うおっ!」

僕は体を捻って何とか避けた。

木刀といえど、当たると痛いからね...

「なんて反射神経してるのよ...」

カーラが油断している隙に、僕はカーラの頭に木刀(というより木製ナイフ)を叩きつけた。

ポコッ!

「いったぁーい...手加減してって言ったじゃん!」

カーラはしゃがんだままの姿勢で頭を抑えている。

手加減しても、カーラの為にならないじゃん...という声を飲み込み、僕は距離をとった。

「くっそー...もう許さないからね!」

カーラは立ち上がり、僕に向かってきた。

ぼんやりと見える。

木刀を上段に構えているカーラが。

「よっと」

「ひえー、全然当たらないよー!」

僕はだんだんと太刀筋が読めてきた。

1分もしないうちに、カーラがバテてきた。

「はぁー、はぁー...」

そりゃあ、力任せにぶんぶん振り回しているから疲れるに決まっている。

僕は、動きの鈍くなった木刀を思い切り強く弾いて、瞬時に相手の懐に入り、ナイフを喉元に突き立てた。

「つ、強すぎるよ...」

そういうと、カーラはその場に座り込んだ。

「はひー...ちょっと休憩しようよ...」

「分かった、じゃあ僕は木刀を拾ってくるよ」

「あれ?私は木刀持ってるよ?」

「ん?じゃああの時ふっ飛ばしたのは...?」

僕はカーラの持っている木刀を見た。

僕が弾いたであろう部分から先が無くなっている。

近くに、折れた木刀の先が落ちていた。

「なんつー力してるんだ...」

カーラは呆然としていた。





「はいこれ」

「ん?」

カーラは僕にナイフを渡された事に大して疑問に思っているらしい。

「じゃあラクは何で戦うの?」

「素手」

「えぇ!?」

カーラは驚いていた。

そりゃそうだろう。武器ありと武器なしじゃあどちらが有利か誰だって分かる。

でも、カーラには少し武器の使い方というものを知ってもらうために、あえて自分は武器を使わずに試合をする事にした。

...というのは口実で、実は換えの木刀を買いに行くのが面倒なだけだけど。

「...よーし、私は遠慮しないからね!」

カーラはそういうと、僕にナイフを振り下ろしてきた。

カーラは必ず初めは上から下に攻撃する。

だから、自分は横に避ける。

すると、カーラは横に振ってくるから、そこを狙って攻撃する。

「どうして攻撃の手が分かるのぉ!?」

「攻撃を自分の中でパターン化しちゃダメだよ。もっと色んな動作を混ぜないと攻撃が読まれる。こんな風にね」

カーラが横に振ってくるナイフを掴み、みぞおち辺りに拳を当てた。

「おごぉぉぉ...」

カーラは崩れるようにして倒れた。

もしこれが敵だとしたら、そのまま顔に追撃していた。

「あっごめん、ちょっと強かった?」

「中身でそう...」

カーラは蹲りながらそう答えた。






「うーん、てんでダメだね」

「ぐすん...罪のない女の子をいじめるなんて...」

試合なんだから、いじめるもなにも無いと思うけど...

考えられるのは3つ。

1つは実戦不足、1つは武器の扱い方が分かってない、もう1つは...戦いの才能がないとか...

1番最後だと困るけど...それは恐らくない。

だって、実績のある人じゃないと大会に出れないから、ある程度の実力があると認められてるのだろう。

...あれ?僕はトロルを倒したから、その実力が認められたけど、だったらその時一緒にいたカーラもある程度の実力があるとして、ダブルで受けさせるべきだと思ったんだけど...何故だろう?

カーラの今までの実績といったら、店に納品したものが殆どだと思うけど...

もしかしたら王がお情けで...?

でも、納品の仕事をする傭兵は沢山いる。それにわざわざ知らない人に情けをかけることは考えにくい。

...考えれば考える程、よくわかんなくなってきた。

カーラに話したとしても、言葉で纏めるのは難しそうなので話すのはやめておいた。

そんな事より、カーラを何とかしないと...

「...ともかく、あと3分休憩したら、また試合するからね、武器を使う練習もしないと」

「練習というと...?」

「剣だったら素振り100回を5セットとか?」

「...」

カーラの顔から生気が失われるのが何となく分かった。

「この鬼!ひとでなし!悪魔ー!」

「はいはい、なんとでもいいなさい。それとも大会で勝ちたくないの?」

僕はカーラを煽るように言った。

「そりゃ勝ちたいけど...」

カーラは文句ありげに答えた。

「なら文句言わずに頑張るしかないね」

「ひーん...」

そしてカーラは、大変な事になりそう...と小声でぼやいた。

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