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落ちた男の奇妙な運命  作者: 六等星の鷲座
王国ラムライズ編
3/23

災難?

「まいどあり~」

服を買ったカーラは男の待つ門の外に向かった。

街は森に落ちたものの話でざわついていた。

「何が落ちたのかしら」

「隕石...とか?」

「宇宙人の乗ったUFOとか!」

「そんなまさか〜」

宇宙人というのも、合っているといえば合っているかもしれない。

空から落ちてきても生きているから...

そういえば、なぜ落ちてきたのだろう?

服を渡したら、男に聞いてみよう。

「...そういえばさっき、男物の服を買った時、変な目で見られたかも...」

そりゃあ、女性が男物の服を買うっていうのもどうかと思うが…

しかも大人サイズの物を。

「ま、いいか。暫くお店にはいけなくなるしね...」

薬草を納品して得たお金も、服を買ったことですっかりなくなってしまった。

今夜はご飯抜きである。

「はぁ...なんか後悔してきたかも」

カーラはぼやきながら門の外に向かった。




「ありがとうございます!」

服を着終えた男がまず一言、礼を言ってきた。

「そんないいよ...でも、今晩はご飯抜きかぁ...」

「食費を使ってまで服を買った頂けるなんて...決めました!」

「ん?何を?」

「僕はあなたにこの恩を返すまでついて行きます!雑用でも何でも僕に言ってください!なんでもお手伝いします!」

たった100ゴールドの為に、この男は自分についてくるなんて...

「えぇ!?いいよいいよ別に!」

「いえ、それでは僕の気が収まりません!」

なんてこった、こんな事になるなんて...

...ん?なんでも手伝う...?

「...じゃあ、私のパートナーになって」

「パートナー?」

「そう、パートナー。これから二人で依頼をこなしていくの」

「という事は、ついて行ってもいいんですね!?」

「えぇ、勿論」

この男は相当頑丈な筈だ。

空から落ちてきても生きている。

傭兵の仕事についたら、きっと魔物退治の仕事が貰えるかも...

そうして名をあげていけば、いつか王様のいる城の兵士に...

「ふふふ...」

「なんだか不敵に笑っている...!」

男はカーラについていった事で、いずれは世界を変えるような運命になっていくとは、知らない。

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