災難?
「まいどあり~」
服を買ったカーラは男の待つ門の外に向かった。
街は森に落ちたものの話でざわついていた。
「何が落ちたのかしら」
「隕石...とか?」
「宇宙人の乗ったUFOとか!」
「そんなまさか〜」
宇宙人というのも、合っているといえば合っているかもしれない。
空から落ちてきても生きているから...
そういえば、なぜ落ちてきたのだろう?
服を渡したら、男に聞いてみよう。
「...そういえばさっき、男物の服を買った時、変な目で見られたかも...」
そりゃあ、女性が男物の服を買うっていうのもどうかと思うが…
しかも大人サイズの物を。
「ま、いいか。暫くお店にはいけなくなるしね...」
薬草を納品して得たお金も、服を買ったことですっかりなくなってしまった。
今夜はご飯抜きである。
「はぁ...なんか後悔してきたかも」
カーラはぼやきながら門の外に向かった。
「ありがとうございます!」
服を着終えた男がまず一言、礼を言ってきた。
「そんないいよ...でも、今晩はご飯抜きかぁ...」
「食費を使ってまで服を買った頂けるなんて...決めました!」
「ん?何を?」
「僕はあなたにこの恩を返すまでついて行きます!雑用でも何でも僕に言ってください!なんでもお手伝いします!」
たった100ゴールドの為に、この男は自分についてくるなんて...
「えぇ!?いいよいいよ別に!」
「いえ、それでは僕の気が収まりません!」
なんてこった、こんな事になるなんて...
...ん?なんでも手伝う...?
「...じゃあ、私のパートナーになって」
「パートナー?」
「そう、パートナー。これから二人で依頼をこなしていくの」
「という事は、ついて行ってもいいんですね!?」
「えぇ、勿論」
この男は相当頑丈な筈だ。
空から落ちてきても生きている。
傭兵の仕事についたら、きっと魔物退治の仕事が貰えるかも...
そうして名をあげていけば、いつか王様のいる城の兵士に...
「ふふふ...」
「なんだか不敵に笑っている...!」
男はカーラについていった事で、いずれは世界を変えるような運命になっていくとは、知らない。