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落ちた男の奇妙な運命  作者: 六等星の鷲座
王国ラムライズ編
12/23

旅立ち

なんかどんどん短くなってきた...

でも次の構成としては、ひとつの町で1話、という感じにしたいので、次は長くなるかも...

それと、アクセスありがとうございます。

頑張ります。

「準備完了!」

カーラはリュックに色々詰め込んでいる。

「そんなに要らないでしょ...」

僕は荷物を軽くするようにカーラに言った。

僕とカーラ、マスカルの3人で魔王を討伐するなんて...とても出来るとは思えない。

でも、一度受けてしまった依頼だ。

最後までやり遂げなければ...

「リーダー、旅の道のりを考えたよ」

マスカルが僕に道のりを示した地図を渡した。

「リーダーって、やめてよ...なんかむず痒いじゃん」

僕は恥ずかしくて頭を掻いた。

「いや、君は私に勝ったんだ。それに君には私やカーラにはない特別な力を持っているしね...」

マスカルは僕に近づき、僕のほっぺたを触った。

「僕が傷つけたこの顔ももう綺麗に戻ってるし、君は何者なんだ?」

何者なのか...

人間じゃないことは確かだ。

でも何者なのか、それは自分でも分からない。

「とにかく、君がリーダーってことでいいよね?」

...なんだか押し付けられ気もするけど、まぁいいか。

「さて、道のりを確認するよ」

僕は地図を広げた。

「どこ通っていくの?」

カーラがわくわくしながら地図を見た。

「遠足じゃないんだから...はい、まずは魔王城についてからね」

魔王城には結界が張ってある。

それを壊すために、「純潔の秘石」と呼ばれるものを探す必要がある。

秘石の在り処は、北にあるノーム神殿と呼ばれる場所にあるらしい。

魔王城は大陸の南側にあるから、北に取りに行ったあと、南に行く必要があるから面倒だ...

道のりは、町から町に移動していく感じだ。

今いる場所はラムライズ。

次に近いのは...アーサの町だ。

「目標としては、アーサに行く。そしてアーサで夜を過ごした後、また北に行く。こんな感じだよ」

「アーサねー、なんか特産品ってある?」

カーラはすっかり旅行気分だ。

「アーサ...たしか不思議な木の実があると聞いたな」

「マスカルは地理に詳しいの?」

僕がそう訊ねると、

「あぁ、私の父が旅好きでね。色々聞かせてもらってたから、ある程度は知っているつもりだよ」

どうやらマスカルは町や地形についてよく知っているらしい。

困ったら聞いてみるか...

「とにかく、早く出発しようよ!」

カーラが急かす。

「わかったわかった、じゃあマスカル、行こうか」

「分かった」

こうして僕達3人だけの、魔王討伐の旅が始まった...




「...」

いや、正確には4()()かもしれない...






「まだ着かないのー?もう疲れたよー...」

カーラが疲れきった声で言った。

「もう疲れたの?おんぶでもしてあげようか?それともお姫様抱っこでも」

「自分で歩く」

カーラは僕の言葉を遮った。

「確かに、日も暮れてきた...そろそろ野宿の準備でもしようか」

マスカルはそういうと、手頃な広さの土地を見つけ、せっせと火起こしの準備をした。

「慣れてるの?」

僕がマスカルに聞くと、

「あぁ、依頼をしている中で、一日で終わらないなんて事も多々あったからね、もう慣れたよ」

そんなことを言っている内に、もう火があがった。

「じゃあ僕は食料でも取ってくるよ」

僕はそういうと、近くにあった川に行った。





魚が悠々と泳いでいる。

「さて...どう取るか...」

僕は悩みに悩んだ結果、ひとつの考えに辿り着いた。

僕は川に入り、剣を横に振った。

真空刃が川を割り、その衝撃で魚が気絶した。

「どうよ...」

僕は誰もいない川の真ん中でドヤ顔を決めた。





「獲ってきたよー」

「お疲れさ...よくそんなに獲れたね」

手で持つと臭いがつくので、剣に刺せるだけ刺して持って帰ってきた。

「わー、大漁だねー!」

カーラが両手を上げて喜んでいる。

「さて、早速焼いて食べるか!」





「...ねぇラク、起きてる?」

カーラが話しかけてきた。

「そりゃ起きてるよ、火の当番だからね」

僕はマスカルに火が消えないように見張りを頼まれた。

「...私ね、今すっごく楽しいんだ」

カーラが問わず語りをしてきた。

「大きな目標をたてて、皆で旅をして、皆でご飯食べて、地べたで寝て...こんな事今までした事ないよ」

「そりゃあ、今まで仕事と言ったら薬草取るだけだったもんね」

「うぐぐ...そうだけどさ、でも、こんなに大変で、こんなに楽しい事するのは初めてだよ」

「地べたで寝るのが楽しいっていうのも変な話だね」

「えへへ...」

カーラは笑った。

すると、僕の隣に座った。

「私も火の当番する!」

「火の当番は2人もいりません、さっ、カーラは寝てて」

僕はカーラを諭したが、

「いや、ラクが寝なよ!疲れてるでしょ!」

どうやら意地でも火の当番をしたいらしい。

「わかったよ。でも眠くなったらマスカルにいいなよ、次はマスカルの番だから」

はーいと答えたカーラを後目に、僕は眠る事にした...





また夢を見ている...

記憶の一部だ...

「ねぇねぇ」

僕は彼女に話しかけた。

「なに?」

彼女は武器を磨いている。

「このまま上手く行くと思う?」

「当たり前でしょ、私とあんたよ?」

彼女は即答した。

「...もし、もしだよ?僕が死ぬような目にあったとしても、助けないでね」

「何よいきなり?」

「いや、もしもの話だよ。でも、もしあいつと戦って、もしヤバくなったりしたら、僕を置いて逃げてね」

そう言うと彼女は呆れた、と言った顔で

「...はぁ、逃げるわけないでしょ。逃げる事なんてないんだから」

と言ってきた。

「だよね、その言葉が聞きたかっただけ。じゃ、おやすみ」

「おやすみ、私の相棒」






「...ラク、ラク!朝だよ!」

あの夢は、僕の記憶の一部...

それだけはわかった。

自分には相棒がいた。

だが、一体何者なんだろうか...

「君は朝に弱いんだね、私とカーラはもう出発できるよ」

マスカルがそう言ってきた。

「よしそれじゃ、出発しようか」

僕達はアーサ目指して出発した。

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