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落ちた男の奇妙な運命  作者: 六等星の鷲座
王国ラムライズ編
11/23

国王の依頼

すみません、遅れました...

イマイチ書く気が起きなかったんですが、これ以上放置はまずいかなと思って書きました。

次の話の構成は出来ているので、すぐに出来ると思います。

今回は少々短めになっております。

あと、アクセスありがとうございます。

頑張りますよ。

酒場でカチュと付き合った後、僕は泥酔したカチュを担ぎ、カーラの家に運んだ。

「ぐごごぉぉぉー...」

「なんて豪快な音を出してるんだ...」

僕は愚痴をぶつぶつ言いながら布団に運んだ。

カーラはすでに寝ていた。

僕も疲れた...

優勝かぁ...

まだ実感できていないが、とにかく勝ったんだ。

カーラもなかなかに手強かった。

だが、これでカーラが強くなっているという事が分かった。

これからは依頼をこなす時も、僕の援護は必要なさそうだ。

そんな事を考えていたら、眠くなってきた...






赤い。何もかもが赤い。

目の前には無数の死体が倒れている。

首がない死体、腕がない死体、足がない死体。

とにかく死体だらけだ。

「この大群を僕達2人だけで潰したのか...」

僕は隣にいる女に話しかけていた。

血を被っているらしく、全身が血で濡れていた。

赤く染まってもなお煌めく髪に、思わず目を奪われそうになった。

「私ならこの2倍、いや、5倍はいけるね」

と軽口を叩く彼女に、

「うっそだー、僕の援護なしだったら五体満足じゃなくなってただろうに」

と、彼女の腕をつんつんとついた。

「随分と余裕そうねぇ~、そっちこそ私の援護なしじゃ今頃そこらの死体と同じ様にになってたんじゃな~い?」

と、彼女もこちらをゴツンとついた。

「強さが違う!ねぇ!つついた強さが違う!」

「いいじゃない、こんなにぶっ潰したから力加減ができないのよ」

「理由になってませーん!」

そんな事を言っていると、またもや向こうから何かの大群がやってきた。

「...どこから沸くんだか」

彼女は、はぁ、とため息をついた。

「おっ?さっき、『5倍はいける』っていってた奴は誰だっけー?」

と言うと、彼女は僕の頬を引っ張った。

「あだだだだ」

「うるさい、目の前に集中しろ」

彼女は武器を構え、魔力を錬成し始めた。

「いっつもそれだよね、...はさ。大体君はねぇ...」

とグチグチ言いながら、こちらも短剣を構え、魔力を短剣に纏わせた。

「「オオォ!!かかってこいやぁ!!」」







「この変態!」

「あばぁっ!!」

張り手を食らって、僕は目を覚ました。

「この私を抱き枕にするなんて...」

と、カチュは吐き捨てた。

「抱き枕ぁ?」

僕は昨日、カチュを布団に置いて...それから...少し横になって...

「...あっ」

「あっ、じゃないでしょう!全く...」

カチュはブツブツと言った。

「おはようさん!朝から元気だねぇ」

と、カーラが台所から出てきた。

「カーラも気づいてるんたら早く言いなさいよ!」

とカーラに文句を言った。

「あはは、2人ともぐっすり眠ってたから、起こすのもあれかなーって」

「...ところで、貴女が持ってるものって、一体...?」

カーラの持っているものはよく分からなかった。

だけど、目が見えなくても分かるぐらい、カーラの持っているものが危険な物だということはすぐ分かった。

「あぁ、いつもラクが作ってるから、たまにはね」

「...それ、まさか朝ごはんなんて言うんじゃないでしょうね」

「え?朝ごはんだよ?」

...これはまずい。

恐らく、あれはこの世のものではない。

そして、カーラはあれを食べさせようとするだろう。

あんなものを食べていたら、間違いなくまた夢の中に行く自信がある。

「貴方、これ食べなさい」

カチュはまるで抱き枕にされた復讐だと言わんばかりに僕に勧めてきた。

「えぇ!?あんなもの僕に食えっていうの!?」

()()()()()?」

カーラはずいとこちらに歩いてきた。

「なにがあんなものだって?」

僕は一歩引くと、カーラは一歩こちらに向かってくる。

そしてとうとう僕は壁に追い込まれた。

やばい。めっちゃやばい。特に匂いが。

食べ物の匂いじゃない。

これを食べるんだったらまだ2日経った生ゴミを食べた方がましだ。

これを回避する方法...

回避...回避...

そうだ!

「あーーーーっ!」

「ど、どうしたの!?」

僕は唐突に嘘を言った。

「カチュがね、お腹空いたーって!」

「は?」

「さっきいったでしょ!?お腹すいたなー、って絶対言った!」

動揺するカチュをさらに畳み込む。

「ねぇカーラ!その右手に持ってるものを、カチュにあげなよ!」

「え?でもラク...」

「僕はいいから!ね!ね!ほら!いってらっしゃい!腹ペコカチュが待ってるよ!」

「...スリプ」

カチュは自分に睡眠魔法をかけ、夢の中に逃げ込んだようだ。

「...お腹が空いた人間が、自分に魔法かけるなんてことするかなぁ?」

「いやこれは...あの...えっと...」

「はい、あーんして」

カーラは謎の物体をこちらに寄越した。

「嫌だ!やめろ!やめてくれぇぇぇぇ」

その時、戸を叩く音がした。

「ん?なんだろう!ちょっと見てくるね!」

「あっ、ちょっと...」

僕は逃げるように玄関に向かった。

そこには人が立っていた。

「兵士?なんで家に...」

とカーラが言った。どうやら兵士が来たらしい。

「貴方がラク様ですね、王がお呼びです」

「僕が?」

「はい、ついでにカーラ様も」

「私も?」

僕とカーラは、お互いを見合わせた。(と言っても僕は顔が見えないけど)






「来たか」

そこには玉座に座った王とマスカルが居た。

「えーと...何か御用がありますか?」

カーラは恐る恐る王に尋ねた。

「あぁ、用がなければここには呼ばない」

「あはは、ですよね...」

カーラは顔を下げた。

「いや、下げなくていい。とりあえず、楽な姿勢で聞いてくれ」

王は静かに言った。

「...この最近、魔物が増えていると感じているだろう」

「確かに、前と比べると多いなーとは思いますけど...」

カーラによると、あの平原も前はそんなにスライムはいなかったらしい。

「実は、魔物が増えているのには理由がある」

「理由...?」

カーラは首を傾げた。

「それは、魔王が復活したからだ」

「魔王!?」

「そして以前森に落ちたモノも、魔王が復活した余波に他ならない」

「落ちたモノ...」

僕は呟いた。

「大会で優勝したお前達に、依頼をしたい」

「依頼ってまさか...」

カーラが不安そうに言った。

「そう、そのまさかだ。魔王を討伐して欲しい」

「無理だって!...あ、無理です!」

カーラは焦ってついいつもの口調に戻ってしまった。

「無理ではない。現に3人の実力者がいるではないか」

「討伐するんだったら、普通何百、いや何千という軍隊を使うべきだと思います!」

カーラがごもっともな意見を述べている。

「いや、3人でなくてはならないのだ」

「3人である理由...?」

「そういえば、報酬が何か言っていなかったな。報酬は私がしてやれることならなんでもする、というのはどうだろうか?」

「なんでも?」

なんでもという言葉にカーラが食いついた。

「あぁ、何でもだ。富、名声、何なら王という地位まで全てやろう」

「何でもかぁ...でもなぁ...魔王だしなぁ...」

「...待ってください」

マスカルが話を止めた。

「どうした?」

「なぜ3人でなくてはならないのですか?」

「...うむ、それはだな...」

「それは?」

「いや、もしも3人とも富が欲しいっていってきたら、足りなくなるかなーと思ってだな...」

「そんな理由で3人なんですか...」

「それだけではない。もし魔王討伐のお触れを出したとすれば、国民たちが恐れてしてまう。そうなれば、国が崩れてしまうかもしれい。だから、なるべく少なめにした方がいいと思ってな...」

「そうなんですか...」

「それに、頼んだのはお前達だけではない。 」

王は続けて言った。

「お前達より先に人間の中で最強と呼ばれる剣士ゴルバにも依頼してある」

「あのゴルバですか!?あの強欲の?」

「あぁ、彼にはすでに前金として3千万ゴールドを贈ってある。だからもう、あとには引けない状態なのだ...」

「さささ、3千万ゴールドぉ!?」

カーラがびっくりしている。

そりゃそうだろう。それで前金なんだから。

報酬額はそれよりも多いのだろう。

「...わかりました。ですが、条件があります」

「ほぅ、なんだ?」

マスカルは僕の目の前に来て、こう言った。

「ラク、私と試合してください」

...え?

「ほぅ、実力を確かめるというのか」

なんというか、これ僕達も魔王を討伐するって事になってない?

「ちょっとまってよ!まだ協力するなんて...」

「おや?怖気付きましたか?」

そう言われると、カーラは、

「...怖気付いてなんかないわよ!ラク、ぎゃふんといわせてやんなさい!」

...挑発に乗りやすい性格なのか。

僕は流されるまま、試合する事になった...






玉座の間で試合をする事になった。

「では、試合を始めるぞ」

王はそういうと、両者の間に立った。

「手加減しないでくださいね」

正直、僕は手加減するつもりは全くない。

さっさとかたをつけて、お断りするつもりだ。

一瞬で終わらせてやる。

僕は熱くなった。

「では...初め!」

そういうと、僕はマスカルの間合いなんか気にせず、突っ込んだ。

「ふん!」

マスカルは懐に入られまいと必死にレイピアで切りつけた。

全身が切られるのが分かる。だけど、痛みは感じなかった。

「なっ...何なんだこいつは...!?」

「オオオオオオォォォラァァァ!!!」

僕はマスカルに思い切り拳を当てた。

「あがぁぁぁっ」

マスカルはそういって吹っ飛んでいった。

幾つもの柱を貫通し、壁にぶち当たると、当たった壁がメキメキとへこんだ。

「えっ...」

「これは...」

王とカーラは絶句していた。

「もしかすると...奴は...」

王はぼそりと呟いた。

「よし!これで終わり!僕は魔王なんか...」

「魔王なんか一撃?それは頼もしい。是非とも討伐してくれ!」

王がそういうと、いつの間にか綺麗に並んでいた兵士たちがファンファーレを吹いた。

「えっ...えっ...」

「って事らしいね!ラク、頑張れ!」

とカーラは、まるで私は関係ないという感じで応援した。

「お前も魔王討伐に協力するよな?」

ポン、と王がカーラの肩に手を置いた。

「な?」

凄まじい圧力を感じる...

「えっと...はい、頑張らせていただきます」

こうして僕達は魔王を討伐する事になった...




「あ...あいつ...人間か...?」

と言って、マスカルは気絶した。

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