登校準備
人と話すのって難しいよね。
ーーーーえっ、
まさか、マジだってかよ。え、まじで高校生?いや、高校生って、20年前だぞ!?いやいやいやいやいや!?
「あっ、気づいた?おっはよー!!」
驚きを、隠せない俺の前ににさっきの夢の男の子が現れた。
「おまっ、さっきの!?え、ちょまてって、えどゆこと?え?????」
「まあまあ、落ち着きなって。驚くのもすごーく分かるけどさ。」
いやいやいやいや
「落ち着ける訳ねえだろ!!いや、だってありえねえだろ!?昨日まで無職、女なしのクソライフ送ってた俺が20年前にタイムスリップって、、、えええええええ!」
「まあ、正確にはタイムスリップではないんだけどね。」
「えええええええぇぇぇ、、、ん?どういう事だ?」
「いや、君、高校時代ほとんど会話無くして終わったでしょ?だからさ、コンプレックス感じて学校行かないとか困るから隣の市の高校に、進学って事にしたから。」
その配慮マジありがてぇ。
事実、俺は昔、中学時代の自分を変えようと、高校デビューを試みるも失敗、学校を休む日もよくあった。
「という事は、俺は全く新しい環境で高校生活を送れるという事か!」
今更、高校生?なんて一瞬思ったけど、最近、人とろくに関わって無い俺からすると新しい環境に結構ワクワクするところもある。
「まあ、でもこの辺の高校生は、中学時代の君を覚えているから、そこら辺は気をつけてね。じゃあ、僕はここら辺で失礼するよ!バイバーイ!」
「あっ、ちょま!」
ーー行っちまった。くそ、今日は何日だ?てか、どうすんだよ、これから。まあとりあえず飯でもくうかっって、実家で、朝飯って事は母ちゃんいるって事だよな!?え、ちょまてよ、母ちゃんなんてここ6、7年会ってないぞ!ーー
無職の俺は何となく母に会いづらく29?くらいのときからずっと実家に帰っていなかった。
そして俺はとりあえず、顔を洗いに洗面所へ向かった。
「うわ、まじだ、、、」
鏡に写ったまだヒゲも生えていないまだ幼さの残っている顔を見て、改めて自分が高校生だという事を体感した。
ーー俺、まじで高校生なんだなーー
顔を洗い終え恐る恐るリビングへ、向かうと朝飯の支度をしている母がいた。
「お、おはよ、ひ、久しぶり、母さん」
やばい久しぶり過ぎて上手く話せない。
「久しぶりって(笑)昨日の夜にあったじゃない。あと5分くらいでできるから少しまってて」
ーーあ、そうか、こっちでは毎日同じ食卓を囲んでいっしょに飯くってんだもんなぁ。ーー
そんな他愛もない会話をしつつ冷静になって考えて見た。
今日は何年何月何日だ?
一体いつから学校なんだ?
「母さん、今日は何年何月何日?」
「やーね、寝ぼけてるの?今日は2014年4月6日よ」
つまり、ちょうど20年前、16歳いや、15歳の高校1年生か。
「明日から学校なんだから少しは準備しなさい。」
なるほど、明日から学校か。
朝食のトーストと目玉焼きを食べ終え、俺は自室に戻った。
久々の母との何気ない会話は、なんだかとても懐かしく、あたたかかった。
「あー、なんか朝から色々あって疲れたな。」
そんな事を言いつつ俺は親父がいない事に気付いた。親父は、産婦人科の医者。忙しいらしくなかなか家には帰ってこない。
「てか、学校って言っても何が必要なんだ?」
とりあえず、書くものは必要だな。シャーペンを3本と色ペンに、、とこんくらいか?
「、、、とりあえず、学校の下見にでも行ってくるか」
念には念を入れ俺は学校の下見に行く事にした。
母親に学校の住所を教えてもらい俺は、学校へ向かった。
「本当に20年前なんだなぁ。」
昔、よく見た風景を目にし改めて自分が高校生なんだと感じた。
駅まで徒歩で10分、そこから電車で30分、そしてそこから徒歩で5分、合計45分か。7時50分の登校時間を過ぎない様にするには遅くとも7時には家を出なければならない。
「よし、下見も終えたし帰るか。」
ん?自分の他にも制服を来た女子生徒が一人。見ていると、目が合ってしまい、ぺこりとお辞儀をされた。
「おふっっっ!」
ーーやばいーー
いざ女子高校生を目の当たりにすると怖くなってきた。
ーーおれ、やってけんのか?ーー
そんな不安にかられながらおれは家に帰った。
家に帰ってからは自分の中の事を整理する事で一杯一杯だった。よくわからないま飯を食い、風呂に入り部屋でベットに横になっていた。
「なんか、すっごい疲れたな。、、、もう寝よ、、」
いきなり遅刻などして目立ちたくないのでもう今日は寝る事にした。
次回の更新は、2、3日後の17、18日当たりです。




