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その音は、女性のお腹の音だったのだ。
ナンクルは手に持っていた袋から焼き芋を取り出して、
「身体は生きたいって言っているよ」って言いながら女性に渡した。
私にも焼き芋を渡してくれてみんなで仲良く焼き芋を食べた。
「おいしい」といいながら、焼き芋を頬張る勢いをみて、何日もご飯を食べていなかったのだなとすぐに分かった。
「こんなに、食べ物を美味しいと思ったのは1年ぶり位です」とも言いながら。
焼き芋を食べて落ち着いた女性は、
「さっき、辛いって言葉が私を辛くさせている、って言っていましたよね」と聞いてきた。
「あぁ、ごめんなさい」慌てて謝った。
「いえ、いいのです。焼き芋を食べて、なんだか、どうでもよくなってしまいました」
「はぁ」
あっけにとられていると、
「食べることって大切なのですね。空腹をただ満たすだけじゃなくて、こうやって美味しく食べることで心の傷が癒えたりする役割もあるのですね」と、そう言った。
「こうして考えてみると、私は過去の失敗に支配されるように生きていて、辛いと思いながら生きるのが普通になっていた気がします。不思議な話なのですけどね、さっき自分は死ぬっておもったときに、私に浮かんできた事は、恨みとかではなくて、ありがとうっていう言葉だったのですよ。そして、どれほど自分の人生は幸せに囲まれていたのだろうって、ようやく気が付いたのです」
___この女性は、焼き芋を食べて、心の持ち方が変わったなと思った。人間何がきっかけであれ、心の持ち方、物事の見方を変えると、幸も不幸も一瞬でかわるのだな」と思ったのだった。




