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ド派手そのⅡ

正確堂雪花らいどうせっか、もと46歳のおっさんだった女の子?

今私は目の前の書類にひたすら判子を押したり、サインしたりしています。

今日はどうやら私が動かされる程の事件が発生していないので、家に帰る前にこの書類を全て片付けて仕舞おうという腹です。

まぁ、ざっと後三時間ぐらい掛かりそうですが・・・

ん?なにこの書類、何々・・・・『他の惑星ほしへ行く際に乗るシャトルの乗車価格を下げてほしい』・・・それここに出す?ここ警察庁みたいなとこですよ、ここに出されても対応出来ませんよ~?

・・・後で局長に相談するか。

次、技術開発部から?『新型ドロイドを開発するための費用をもっと下ろしてくれませんか?』か・・・直接局長に言えばいいのに。

でも新型ドロイドか・・興味深いな、これも明日中に局長に言ってみるか。

後は・・・あら、後は判子押すだけか・・・こう言う作業は本当泣けるで~。

いや!ここで腑抜けてどうする!!やってやる!やってやるぞぉ!!!








三時間後・・・


やっと終った・・・判子、サイン、その他色々、やっと自由だ!

太陽がスッカリ落ちちゃったな。

時間は・・・もう11時25分か。

う~ん、お腹も丁度すいてきたし、夜食貰いに食堂棟へ行きますか。

ここ東コロン本部は本棟、食堂棟、開発棟、訓練棟、監禁棟、兵器保管棟、仮眠棟の7つの棟で出来ているんだ。

食堂棟へ行くには、本棟から訓練棟を抜けて、直線の通路の突き当たりを左に曲がるんだ。

ちなみに右は兵器保管棟だよ。

・・・さてと、そろそろ行きますか。


食堂棟


うん、何時見ても殺風景な食堂だ。

白一色、机も、天井も、椅子も、そして何故か置いてあるグランドピアノも白だ。

唯一白じゃないのは白い植木鉢に入った観葉植物だけね。

いつもは兵士達やスタッフの皆さんの喧騒や、落ち着いた音色を奏でてくれる自動巻き取り装置がついたオルゴールも、今は鳴っていないのでとても静かだ。

夜中だから静かでないと困る人もいるかもしれないけど、静かな食堂はどこか少し寂しく見えてくる。

「ん、あ!羅畏堂大将!お勤め御苦労様です」

「ん?ああ、どうも。あと羅畏堂大将は止めてくれない?そんなガラじゃないし、雪花でいいよ」

この今話しかけてきた人はこの食堂の女将さん。

最近このコロン本部に異動してきた。

良い人なんだけとちょっと硬いんたよな~。

「いやいや、そんなご謙遜を、あのかの有名な『カムラン攻略戦』の英雄ではないですか!!」

『カムラン攻略戦』

私のデビュー戦で、私が初めて人を殺めた戦い。

私はこのチート能力をフル活用して、無傷で六千の戦闘機と戦車を大破炎上、三千の兵士を殺害、またこのカムランと呼ばれる惑星ほしは火山だらけの惑星だったので、温泉が作れそうかな、と思って穴を掘ったら本当に沸いてきたので温泉を設立したりした。

「温泉の件はともかく、戦いの方はあんまり褒められたものじゃないよ?仲間をたくさん失ったし・・・」

そう、仲間を・・・

「あっ・・・すみません、嫌な事を思い出させてしまって」

「いや、いいよ。悪意があって言った訳じゃないんでしょ?」

ちょっと辛気臭くなっちゃったけど、私はその事を気にせず、メニューを眺めた。

「う~ん、今日は・・・天玉うどんにしよっかな?」

「羅畏堂大将?それ、前も同じの食べてましたよ?」

あり?まじで?いや~天玉うどん美味しいね!ついたくさん食べちゃうよ。

「う~ん、ならこのレインボードリンクってやつを頼もうかな?」

「!?、た、大将?本気でありますか!?」

ん、女将さん?なんでそんなに顔を真っ青にして慌てているの?非常に不安になるので止めていただきますか?

「いや、その、このレインボードリンクはね、飲んでしまった人の10割がそれから三日間はゲーゲー吐いていたよ?」

・・・マジで?え、なんでそんなに不味い物食堂に置いているの?

なんだか、それ頼むの怖くなってきた。

いや、何事もチャレンジだ!!

某先生もこう言ってた!「諦めたらそこで試合終了だよ」って!!

いや、これ使い方間違ってる?

いやいや、んなことどうでも良い!

やってやんよ!!飲んでやんよ!!

「チャレンジだ!!」

私は女将さんに告げた。

「・・・ファイナルアンサー?」

「・・ファ、ファイナルアンサー・・・」

そう言うと、女将さんは一本の缶を持ってきた。

虹色の柄で、真ん中にレインボードリンクとでかでかと描いてある。

「いいよ、よし逝ってこい」

ゴクリ、私は生唾を飲み込む。

正直、かなり恐い。

下手したら再起不能になるかもしれないからだ。

よし、いくぞ!!

プルタブを開け開缶する、プシュッ!と心地良い音が響く、中身は正に虹色に輝く謎の液体。

正直かなり飲みたくない、かなりヤバイってこの色!

だが、自分で決めたことだ!!チビチビ飲んだら男が廃る!!

・・・あ、今は女か、ならおとこか?

とにかく、この際ビビっている場合か!

一気に逝くぞ!!

缶を傾けグイッと全て飲み干す!

瞬時に口の中に謎の液体が入ってくる。

味は・・・美味しい?

あれ?これ美味しい?濃い甘さを打ち消すほんのりとした苦味、舌の刺激を施す辛味、かつ全ての味覚を殺さず更に旨味を施す酸味!!

美味い!美味すぎる!!

「美味すぎる!」

「なん・・・だと!!」

女将さんが驚愕している。

嘘だろ?これ滅茶苦茶美味いんですけど、なんで皆に不味いと言われているんだろう?

ま、いいか!

私は機嫌を良くしてそのまま踊る様な足取りで家に帰るのであった。









私の家は結構豪邸かもしれない。

二階建てで地下室があり、その地下室にはプールがある。

一階は広い玄関ホールを抜けると台所に繋がっている。

天井は全てガラス張りで太陽の光がふんだんに入ってくる仕組みになっている。

夜は壁にあるスイッチを押してもう一つの鉄の天井を出し、そこからライトアップするといった感じの仕組みだ。

台所から左側には物置(使わない部屋を利用)がある、そこを右に曲がると二階に続く螺旋階段がある。

ちなみに右側はユニットバスがあります。

二階には応接間と私の私室がある。

正確には、応接間から私の私室へ行ける。

しかし今日は精神的に疲れた、朝から今までずっと書類とにらめっこだったしな~。

お風呂は今日はいいや、もう寝ちゃおう。

私は服を乱雑に脱ぎ散らかし、下着のままベッドに飛び込んだ。

ちなみに私は今日は黒だ。

何がって?言わせんな恥ずかしい!

あまりにも疲れていたのかすぐに眠くなってきた。

ふあ~、では皆さんおやすみなさい。







ソシエル繁華街、現時刻 まるふた:ひとひと、いや軍用語使っても解りづらいか。

時刻は午後2時11分、ここソシエルは前に私が犯罪組織(名前は忘れた)と戦って壊滅させた場所の表通りです。

ここは東コロン本部がある東コロンから30キロ離れた山岳都市・・・いやどっちかと言うと町かな?ここは様々な物を売ってるいわば学園都市ならぬ商売都市なのだ。

今日私がここにいるのは仕事・・・ではなく、局長に『羅畏堂君、いい加減溜まりに溜まった休暇を消費してくれ!』と言われてしまって、仕方なく休暇をとってここに来ました。

いや、休暇はいつか消費する気だったよ、ただね、私は色々なこと後回しにするの嫌なんで、全部終わってから休暇取ろうと・・・うん無理だわ。

言い訳見苦しいですね、はい。

ただ単に休暇とってもやることないからわざと取ってませんでした○。

事実、このソシエルに来たわけだけど、なんも考えてないや。

あ~、私っていつからこんな仕事人間になっていたんだろう・・・。

あれ?なんだろう、凄いデジャブを感じる?

あ、そうだったなぁ、前世もこうやって仕事一筋だったな~。

・・・ええい!!せっかく生まれ変わったのにまたこんな人生でいいのか!!

考えても見ろ!今の私はピッチピチの(?)22歳、仕事よりもやること沢山あるでしょうが!!恋愛とか、遊びとか、買い物とか・・・買い物?

そういえば、このソシエルは商売都市。

買い物か~・・・よし、なんか買おう。

給料のほとんどを親に渡しているといっても、かなりの額のお金が私の財布の中に今入っている。

よし、まず何を買うか決めよう。

御飯は作るだけの材料はもう家に・・・違う違う!それはおばちゃんのやること(?)や!!

お年頃の女の子が買うもんと言えば?

・・・おしゃれの道具?可愛らしいアクセサリー?解らん!

前世が男なだけ、何買えば良いのか解らん!

「はぁ、本当に何買おう・・・」

私は結局気が付けば喫茶店の中にいた。

一様この世界にも喫茶店はある。

外見的が近未来?的だけど・・・

「いらっしゃい、ご注文は?」

う~ん、つい来ちゃったけどどうしよう。

何も頼まないのは悪いし、何か頼もうかな?

さてメニューは何があるかな?

「こんにちは、お嬢さん。隣いいかな?」

私が何を頼むか考えていると、少し大柄の男がいた。

少し長めの髪、色は黒、服は青いジーパンに白のパーカだった。

「あ、はい良いですよ?」

私がそう言うと、男は隣に座る。

「すみません、いつものお願いしま~す」

この口調、ここの常連さんかな?

まあ、私には関係ないか。

ん?このドレッシングピザって言うの美味しいそうね、これたのもうっと。







喫茶店を出て次に私が向かったのは自動車店だ。

今思えば私は免許持っているのに車を持っていない。

よし、なら買おうという変な心意気に誘われてここに来ました。

近未来の自動車店はあんまり前世の世界の自動車店と変わらない。

取り合えず、私は店の中に入った。

「いらっしゃいませ!!何をお探しでしょうか!アナログカーですか?ホバーカーですか?」

入って早々店長らしき人が飛び出してきた。

「えっ・・・と、燃費が良いホバーカーはありませんか?」

つい気迫に押されてしまった。

まあ、最初から車を買うつもりだったから別に良いんだけど・・・

ちなみに燃費の良いホバーカーを選んだ理由は、どうせ買うのなら前世のころ最新だった物に乗りたいじゃない。

なおかつ低燃費だったら燃料費がお得!

あるだろうか、私の好みの形の低燃費のホバーカーは?

「なるほど、ホバーカーをそれも低燃費のをお探しですか!でしたらこちらへどうぞ!!」

私は彼に手を引かれ、ある車の元へ連れてかれた。

色は黒、少し流線型のホバーカーだ。

車で言うスポーツカーに属する形か・・・悪くないね。

「ホバーカーは大昔、日本というところで生まれました、アポカリプスが作ったのではありません!」

マジか!初めて知った!こっちの世界でも日本の技術力は凄いのか!

「ところでお客様、お好きな車の形はなんですか?」

「え?えぇと!スポーツカーかな?」

「そうですか!ではもっとお好きになりますよ!どうぞ座席にお座りください」

されるがままに私はホバーカーの座席に座った。

「座席は昔ながらのビニールですが、革なんか蒸れるわ、すぐボロボロになるわ、お手入れがたいへんだわろくなことがありません。」

ん?何だろう?この解説、どっかで聞いたことあるような・・・

「あの・・・「あぁ、何もおっしゃらないで!取り合えず、まず回して見てください!!」・・・はい」

取り合えずエンジンをふかしてみる。

かなり重低音のエンジン音だ、私好みだ!

「どうです?いい音でしょう!馬力が違いますよ!!」

・・・あぁ!思い出した!!この台詞!コマ〇ドーか!!

あの車の人か!!

ならばここはこう返さないと悪いだろう!!

「一番気に入っているのは・・・」

「はいなんです?」

私は一呼吸おいて口を開いた。

「値段よ!!」









重低音を響かせながらホバーカーは走る、そのホバーカーを運転しているのは私だ。

今私は空中高速道路を走っている。

いや~やっぱマイカーっていいね!!

結構財布が痛いけど、ちくせう一括払いで買うんじゃなかった!

・・・よくよく考えてみれば、車を一括払いで買えるお金がある財布って・・・私、結構お金持ちだったんだね、今実感した。

ま、いいや!

よし!もう少し走らせて帰ろう!

こうして、私の休暇は終わった。

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