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ド派手そのⅠ

爆音、硝煙、悲鳴、怒声、絶叫。

それらがこの裏路地全てを包んでいた。

「くっ、嘘だろ!!『影姫カゲヒメ』が出やがった!!至急応援を・・・!?」

俺は右手に通信機を持った男の首を斬り翔ばした。

「本部、こちらソシエル裏路地、犯罪者を粛清しました。どうぞ?」

『こちら本部、さすが我等が大将!!我々が頭を抱えていた犯罪組織をお一人で壊滅させるとは!直ぐに向かえの車を出させます!!』

「いや、いい。自分の足で帰るわ。」

『ハッ!!お疲れ様でした!!』

俺は最後にその声を聞くと、通信を切った。

俺、いや、私は羅畏堂雪花らいどうせっかそう、見事生まれ変わりました!!

生まれた家は中々貧乏で、けっこう苦労したよ最初は。

SFの世界って聞いていたけど貧乏なとこは今と全く変わらんな~。

さて、私が生まれてざっと22年経ちました。

ん?その22年間の描写はどうしたって?

私の小さい頃なんてなんっも面白くないよ?

ひたすらバイトして、勉強して、恋愛もせず、この守護の翼に入団して、後はひたすら戦いに黙祷する日々。

気が付いたら大将の位を貰ってました。

あ、ちなみに儲けの9割は両親に寄付してます。

だって他に使わないし。

まぁ、しかしねぇ~。

このチート能力凄いよ、お陰で大将に成れたと言っても過言じゃないね。

てか、sfの世界でも錬金術って通用するんたね~。

薬学の授業の時ほぼ聞き流しですんだよ。

おぉと!!話しがずれた。

さて、私は今人生を楽しんでる?と聞かれたらこう答えよう。

「最高に楽しんでるよ!!」

「うわ!?なんだ!?」

おっと口に出ちゃった。

そりゃあ最初は人を殺すのにかなり抵抗あったよ?

だけど慣れって怖いね。

今は全然辛くないよ。

慣れたせいか、人生の勝ち組道を全力疾走しているよ。

あら、こんなこといってたら本部に着いちゃったよ。

あ~どうせ部屋には書類が山積みなんだろうな~。

さて、今私のいる場所は守護の翼の東コロン本部、見た目こそまるで生前よくサスペンスドラマで見ていた警視庁ソックリだけど、駐車場が空中にあったり、ガラスみたいな透き通った歩道が滑らかなカーブを描いて四階に繋がっていたりと、やっぱりsfの世界だな~と思い知らされるよ。

「・・・あ!雪花さん!お勤めご苦労様です!!」

正門の前にいる制服の18歳くらいの見知らぬ少年が私に告げる。

制服の色は・・・赤。

「君、新米?」

「へ?あ、はい!!二等兵です!今日ここに配属になりました!!」

この世界には何故か大学がないから、高校入っていたらキャリア持ちになるんだよね~。

てことは、即この仕事に付いた訳か。

「うん、いい返事ね!これから辛い事があるかも知れないけど頑張っていってね」

そう言って私は彼にニコーっとほほえんだ。

「!?え?は!はい!!有り難うございます!!」

彼に微笑んだ後、そのまま私は正門を潜り、自分の部屋に向かった。









さて、皆さんにはこの世界の説明か必要ですね。

良いでしょう!!お節介かも知れませんが教えましょう!!


人類は地球にあった全ての資源を使い果たしてしまった。

その為人類は他の惑星ほしに移住する必要があった。

人々はそれぞれの惑星に移住し、それぞれの文明を築いていった。

後にこの大移住の事を『天国ヘブンへの大移動』と言い、その後の時代をエデン(略してE)と言う。

その大移住から数千年後、一つの国家が生まれた。

国の名は『センチネル』。

しかしこの国家は国王『シルク=カーレース』による独裁政治が蔓延る国家だった。

シルクは己が移住した惑星『アポカリプス』にある謎のエネルギー『バーサーカー』を使い、あっという間に凄まじい軍事国家を造り上げ、彼を救世主と称える人々と共にさまざまな武器、兵器、はたまた宇宙戦艦などを酷使し、次々と他の惑星を侵略していった。

それらのことに不満を覚えた人々は、彼に対抗すべくレジスタンス『天革隊』を築くのであった。


そんなこのsfアクションゲーム舞台はE1450年の、惑星『アポカリプス』だよ。

このゲームは今私が所属している守護の翼が護る、独裁政治をしている国王『シルク=カーレース』を最終的に打ち倒す物だよ。

さまざまな武器(おもに銃)を使って戦うらしいよ。

ん?なぜ最初は詳しい癖に最後は投げやりなんだって?

最初のとこは歴史の教科書の丸写し、後半はじいさん(神)からの追加情報。

あのじじい、私が生まれて3日目に教えやがったよ・・・。

まぁ、私がこのゲームの本編に絡むことは無いでしょうな。

ゲームの舞台は惑星『アポカリプス』だけど、ここは惑星『サラドレム』ってとこだし。

まぁ、こんな階級になっちゃっているから、何かあったら本国から呼び出しがあるんでしょうが。

まぁ、それまで楽しく過ごしますか。









さて、今私は自分の部屋で報告書と始末書を両方書いています。

「はぁ~、あの時(最初に描写をカットした犯罪組織との戦闘シーン)

もうちょと抑えて戦っていればこんな始末書かなくてよかったのかな~、ちくせう」

あの名前を知らない犯罪組織との戦闘のせいでアイツらがアジトにしていたビルが倒壊、更にとなりのビルが半壊、周辺の空中の駐車場が消し飛んだ。

まぁ、その被害の十割中九割が私のせいなのだが・・・

「はぁ~、なんで日本刀で戦っているのにこんなに被害が大きくなるの?わけがわからないよ」

まぁ、厳密には日本刀ではなくて魔剣(この場合妖刀?)なのだけれども・・・

どうやって作ったって?

錬金術で金属を加工して後いろいろな事してだよ。

いろいろな事とは?

それは企業秘密でっせ~!

トットッ、そんな事言っている暇はないね!

さっさと始末書と報告書書き上げないと!!








僕の名前はシラキ=jジェード=アンゴロナ。

三ヶ月前に軍事学校を卒業して、訓練兵からようやく二等兵になったばかりのピッカピカの新米です!!

流石に二等兵なので今は正門の見張り役ですが!いつか前線で戦っている先輩の様に、シルク陛下のために活躍したいです!

しっかし、平和だな~。

それに良い天気だ、確か予報じゃあ降水確率54%だったんだけと、ハズレたか。

空は雲一つない快晴、雨なんて降る気配が一つもない。

このまま寝てしまいたい・・・そんな時だった。

正門こちらに向かってくる人影が一つ。

その人影の正体は女性で、髪は黒、奇妙な服を着ており、紫のマントをベルトもせず、腰の黒い紐?のような物で固定している。

腰には棒?のような、レーザーサーベル?を引っ提げていた。

(外見の特徴が一致する・・もしかして!英雄、大将『羅畏堂雪花』!?)

羅畏堂雪花、22という若さで大将の座に就き、その異常とも言える強さでビームガン持ち相手に素手で勝った等の伝説を持つ。

彼女は時たま敵の影を引っ剥がすとか、敵の影の中から出てきたとか、そんな噂が絶えず、彼女に付いた異名は『影姫』。

また、ビームガン等の銃器を一切合切使わない事でも有名である。

なにが言いたいかというと、兎に角有名人である彼女がここに配属されていたとは!!

と、兎に角挨拶だ!うん!何事も挨拶が重要のはず!!

いけ!いけ!僕!!

「・・・あ!雪花さん!お勤めご苦労様です!!」

言えたぁ!!てぇ!なに初対面の人に馴れ馴れしく挨拶してんだあ!!しかも階級滅茶苦茶上だぞ!!

あかん、終わった、僕の人生終わったぁ!!

「君、新米?」

「へ?あ、はい!!二等兵です!今日かここに配属されました!!」

あら?怒気がない?

恐る恐る僕は彼女の顔を見た。

・・・噂のせいでかなりの強面だと思ってたけどイメージと違って、その顔はとても可愛らしく、まだ幼さが残っていた。

瞳は絶滅危惧種のウサギの様に紅く、まるでルビーのように輝いていた。

「うん、良い返事ね!これから辛い事があるかも知れないけど頑張っていってね」

そう言って、彼女は僕に向かって微笑んだ。

どこかで狙撃音が聞こえて僕の心臓と周辺の時が止まった。

そして直ぐに顔が暑くなる、ポ~と言う効果音が合いそうなくらいの速度で顔が赤く染まった気がした。

「!?え?あ!はい!!有り難うございます!!」

僕の言葉を聞いたら後、彼女はもう一度微笑み、本部の中へ姿を消した。

彼女が姿を消しても、顔はまだ赤い気がした。

まだ、心臓が馬鹿みたいにバクバクと早鐘を打つ。

なんだこれ、彼女の笑顔を見た瞬間、この変な自体になった。

もしかして、これが・・・

かすかに残った彼女の香りが僕に確信させた。

この日、僕は彼女に、羅畏堂大将に一目惚れした・・・








今、私はもー烈に暇である。

つい先程あの忌々しい始末書を書き終えてしまったのです。

平和は良いことだけど、こういう職に就いていると、始末書とか書き終えた後とか凄く暇です!

「・・・暇」

つい、そう呟いてしまった。

かと言って、今回のような事件が都合よく起こるわけがない。

「・・・暇だし、トレーニングでもするか・・」

私は部屋にあるクローゼットからジャージを取りだし、即座に着替え、柔軟体操を始めた。

じいさんに希望的容姿の決定の時、なるべくその姿に近づけると言ってはいたが、結局心配になり、幼少の頃からずっとこの美容体操と柔軟体操続けている。

さて、まず長座、ゆっくりと息を吐きながら前に倒れこむ、指が足の真ん中にふれ、更に倒れこもうと・・・う?なんでだろう、これ以上進まないな?まあいいや。

次に股割り・・・うん、幼少からやってきたせいか、気持ち悪いくらい開く開く。

百八十度くらい開いたぞ。

さて、このまま倒れこんで・・・ここで私は止まった。

さっきの長座、途中で止まった原因が解ったよ。

・・・胸がつっかえて顎が床に付かない・・・。

まさか、と思って誰も見てない事を確認して上着を脱ぎ、サラシをほどくと、キレイな形の大きい実が姿を表した。

「・・・・ハァ、また育っちゃったか」

前世は見るたんびに涎を垂らして見ていた乳と言う存在。

しかし実際着いてみると、これがまた邪魔くさい!

戦闘の時は当たる箇所が広がるし、狭い場所には入って行くのに一苦労、更にはデスクワークの時に下を向くせいか肩が辛くてたまらない。

この経験のせいか私は、乳は観賞するもので、着けるものではないと悟った。

だから乳が育つと困ることこの上ないのだ。

「ハァ~・・・うぅぅ!!寒い~!!早く服着よう」

結局、くしゃみをしたあと柔軟体操を再開し、そして家に帰ることにした。

社長帰宅?だって実際社長より偉いも~ん。では私の家にレッツゴー!!







私は自分の自家用車を持っていない。

だから歩きで帰宅になるんだけど・・・その度々思ってしまう。

まるで前世に見たスター〇〇〇ズを思い出す光景が目の前で繰り広げられています。

車が空を飛んでいたり、ホバーして地面を走っていたり、ビルは高すぎて天辺が見えないし、マジでsfの世界だって思い知らされるな~。

家の中にある物のほとんどは今と全く変わってないのにな~、洗濯機なんか昔のガタゴト言う乾燥機なしのやつだし。

「信号もあるのにな~」

そう、信号機も空中に浮いているのと、地上にある二タイプがしっかりある。

そしてこのsf世界でも信号無視する大馬鹿はいるんですよ・・・

噂をすれば、サイレンの音と共に一台の車両がパトカー(ホバータイプ)に追われて来ましたよ・・・

『こらー止まれー!!前のナンバー〇〇〇〇の車両!!止まりなさい!!』

無線による呼び掛けが聞こえていない訳がない。

完全な暴走ね・・・仕方ないな。

私は腰に携えていた魔剣ならぬ妖刀で居合いの構えを取る・・・

距離は目測で大体6~80メートル。

暴走車両の速度は時速90くらい。

私は刀の柄に手を掛け、約9メートルくらいに来た時に一気に刄を走らせた。

「抜刀・・・剛!」

シュラランと風を切る音がし、暴走車両が私を通り過ぎようとした・・・が

「安心しなさい、翔ばしたのは噴出口だけよ」

そう私は呟き、チンッと良い音を鳴らして納刀する。

次にドッシャァァンと凄まじい音が背後から響き渡る。

私はゆっくりと後ろを見ると、案の定車両は横転していた。

そしてその車両のホバーするために必要な四つの噴出口はキレイに切断されて、車両の数メートル前に四つとも転がってた。

うん、切断口がちょっと汚い、私もまだまだか・・・あ!いつもどうり斬っちゃたけど、今やったら完全に部下の手柄横取りになるよね!?

ふゃにぁあ!?どっどっ、どうしよう!!












俺はマック=ゲイリー大尉だ。

つい先程まで、俺は信号無視、並びに速度交通違反車両を逮捕すべく奮闘していた。

だか・・・・

「雪花殿、また貴女なのですか!?」

俺はため息を尽きながら言う。

そう、つい先程まで暴走車両を追っていたのだか、突然暴走車両が横転したのだ!

その原因は噴出口がキレイに切断されていたからだそうだ。

時速95キロで走っていたのだ!そんな速度の物体の一部だけ斬られていたのだ!!そんな芸当を出来るのは我が守護の翼には一人しかいない。

案の定、そこには雪花殿がいた。

で、今私は彼女を説教している。

上司に説教して良いのかと?

私自身、いつも説教を行っているため、このおかしな関係は嫌と言うほどわかっている。

「ごめんね~。ついやっちゃった」

「ついやっちゃったじゃないわ!!この馬鹿が!爛れろ!!」

・・・まるでコメディドラマでも見ている気分になる。

大将は強いし、心優しいし、かなり美人だしと、良いとこ揃いのはずだか・・・このふざけた性格をどうにかしてくれんのか?

私はその日、ずっと彼女に説教をするのだった。

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