表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮?  作者: かがと
1/2

1話~チェーンネックレス~

純直side


♪~♪・・・



時計塔の鐘が辺りに鳴り響く。



いつもは、この鐘がなると、びっくりするものだったが、


今日は違った。



今日は、僕、水無月純直の好きな小説家の新しい本が発行され、


その本を買うことができたので、


ぼくの心はその本に奪われてしまっていた。



中学1年生なのだから、仕方ないと言えば仕方ないのである。


・・・でも、ラッキーだったなぁ。


今日買うことができたなんて・・・!


一人、そう思いながら、帰路につこうとした時だった。


「あれ?純直?」



透き通るような、さっぱりとした声。


間違いない。


僕の幼馴染の有村有澄美だ。


「有澄美?」


そう問いかけながら、僕は後ろを向いた。


やはり、後ろにいたのは幼馴染の有村有澄美で・・・。


ショートカットの髪の毛に、ぱっちりした目。


いつもの有澄美だ。


「こんな所で純直に会うなんて思わなかった!」


有澄美は、びっくりしたなぁ、とでもいうように、


にこっと笑った。



どうせなら、という事で、有澄美と僕は一緒に帰る事になった。







しばらく歩くと、僕の家と有澄美の家が見えてきた。


僕の家と、有澄美の家は隣どうしで、


とても便利だ。



僕の家の前に着くと、有澄美がふと話を切り出した。


「ねえ、純直。私・・・さ?


今日、骨董品を見に行ったときにいい物あったから・・・


そのついで?で買ってきたの


もらってね」



そういいながら、有澄美はバックの中から小さな包みを取り出した。


「う・・・うん。ありがと。」


中学生で骨董好きとは・・・


大したものだ。


そう思いながら、包みを受け取る。


その瞬間だった。


「!?」


受け取った瞬間、包みが熱くなり、一気に重くなった。




・・・それは、ほんの一瞬だったのだが・・・



「・・・?」



「純直~?どうしたの?」


・・・きっと、気のせいだ。


さっきのことは・・・


「・・・ううん。なにもないよ」



「・・・ふぅん~?


・・・ま、いっかぁ。開けてみて」


有澄美に言われ、


包みを開ける。


中に入っていたのは・・・



「ネックレス?」



チェーンネックレスだった。


「そう」


「私のも買ったの!」


・・・よーく見てみると、有澄美は黄色のチェーンネックレスを


していた。


「じゃーね!純直!!」


有澄美は、満足したように、家の中へと入っていった。



「じゃーね」


・・・家に入ろうかなぁ。
















このネックレスが、これからの僕たちの生活を大きく変えるなんて、



僕はまだ知るはずもなかった・・・――



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ