2話 遭遇そして戦闘へ
2話目早くに手直しが終わりましたので投稿します。
戦闘シーンがありますがグロイ表現はなるべく直すか消しておきました。
投稿速度を上げていけたらとは思っております。
(正直難しいですが・・・頑張ります)
よろしくお願いいたします
走りだしてから1時間くらい。走り始めたときから違和感はあったが、
「どうなってるんだ?」
30分前からほぼ全力で走っていたのだが疲れが全くない。それに、以前より明らかに速く走れるようになっている。
「地球に比べて体が軽くなっている気がするな?」
重力の関係か?、不思議だな。
だが、この調子ならかなりの距離を走る事が出来るだろう。後は、何か見えてくると嬉しいのだが…
(…地平線以外何も見えないな……)
1時間走っても景色が変わらないのは、走っていて面白みがないし何より今の状況だと精神的につらいものがあるな。
「一度休憩するか」
道から少しそれて草の上に寝転がる。
肉体的には全く疲れてはいないのだが、少し考える時間が必要だな。
まず、ここが異世界というのは確実だ。走る方角を決めるときに空を見て気付いたんだが、太陽はあった地球と同じで1つだった何もおかしなところはない。
だが、なぜか月が2つもあるんだ。それに、地球の月と比べて明らかに大きい。幻想的ではあるんだが正直、衝撃のほうが大きい。
(本当にここは異世界なんだな)
でも、今のところ月以外は変わったところはないんだよな。雲ひとつないものすごくいい天気だし、たぶん今は地球の時間で午前10時頃だと思うんだが、春の日射しとでもいうのかすごく眠気を誘うんだよな。
「このまま寝て起きたら布団の中だったりとかしないかな…」
(…試してみるか)
無駄な事だと分かりつつも現実逃避してみようとしていたら、
「…ん?…なんだ?…」
俺が走ってきた道から何か来るな…。まだ見えるところにはいないが、今の速度だとここまで後20分ってところか…
(この世界に来て気配を読む感覚や視覚・聴覚なども以前以上に鋭くなっているな)
ーーそろそろ見えてくるはず…米粒程だが。
「…馬、?……いや、御者がいるな2頭で馬車を引いているのか…」
かなり急いでいる様だが、
「ーーあれは…オオカミか?」
見たこともないから特定は出来ないが、近いものだとそれだろう。
「追われているのか…しかし、」
「数が多いな…」
見えるだけで20以上はいる。しかも、あのままだとここに来るまでに追い付かれるだろうな、今の俺なら逃げきることも出来るだろうが、それだと寝覚めが悪いし最悪もし追い付かれたら面倒だな。…助けにいくか、それに馬車に乗っている人に聞けばここがどこなのかもハッキリするだろう。そう思い、全力で向かって行った。
(…ヤバイな、馬の限界が近そうだな…間に合ってくれ)
★★★
馬車の後ろでは弓で応戦しているが厳しいな、放った矢の全てを当てている技術は凄いがこのままだと追い付かれるな。
「ーーなんだ?」
あと700mもないぐらいに近付いた時、今にも後ろの荷馬車に追い付きそうなオオカミ?が突然燃え上がった。死んではいないようだが時間の問題だろうな、もしかしてあれは、
「魔法か…?」
中距離を弓で近付いたオオカミ?は魔法?で応戦しているのを見ると、二人いるのか?
もしくは、一人で応戦しているのか、だとしたら凄いな。
ーーしかし、いよいよここがまだ地球だという理由が無くなってきたな。
(もう9割以上地球ではないと分かってはいたんだが…)
信じられないものがあるな…。
「クソ、あのオオカミ?賢いな…」
ただ追いかけているだけじゃなくて、取り囲む様に追い詰めてまず馬を殺そうとしてるな。
それに、数が把握していた数より多い、馬車で見えなかったのか30はいるな。
馬車に乗っている人は後ろのオオカミ?の相手で手一杯で気付いてないようだし、業者は必死に抜けようとしているがオオカミ?の方が速く追い込まれていっている。
「前を先に助けるか…」
後300m…
ー200m…
ー100m…
「ッ!…馬が一頭やられたか。」
さすがだな、野生の本能なのか首に噛みついてそのまま引き倒そうとしてるな。急がないと馬が倒れると同時に馬車が巻き込んで横転するな。それを恐れてか業者も速度を落としてほとんど止まりかけている。
ー50m…
そして、オオカミ?がもう一頭にも噛みつこうとした瞬間、
「やめろ!っ!!」
飛びかかり噛みつこうと口を開けていたオオカミ?の頭を思いっきり蹴り飛ばした。
[キャゥン!?]
ーーーーー 御者 ーーーーー
「何でこんなところにこれほどの魔物がいるんだ!」
この道は、比較的魔物があまりいない道のはずで、いたとしても3~5匹ぐらいで群れになっているだけのはずだから魔物に馬車が見つかっても護衛がいれば問題なく隣街まで行けるはずだった。
だが、最初に見つかった魔獣が、遠吠えをしながら距離を取って追い掛けてきているのを見て何かおかしいとは思っていた。
今まで、見つかるとすぐに追い掛けてきて、飛びかかって来ることしかしなかったはずが、今は仲間を呼んでから追い込むように襲ってきている。
「今まで、こんなことは一度もなかったのに!」
「クソっ馬がもう限界だ!」
ヘルハウンドはもう馬車と平行に走るまで追い付いてきている、もういつ飛びかかってきてもいい状況だ。そう思っていると、一匹が馬の首に噛みついてきた。
(避けきれなかったか!)
「ッッ!!すまない馬が一頭やられた!このままだと横転する!止めるぞ!」
<<分かりました、この場で応戦します!>>
2人の女性の返事が帰ってくる。
後ろは任せても大丈夫だろうだが、前だけでも結構な数がいる。
護身用にナイフはあるが、争い事の素人が使ったところでなんの解決にもならないだろう。
もう一頭の馬が殺されると次は俺か、
(こうなったら道ずれにしてでも抵抗してやる)
そう決意して前を見ると遠くからここに走って来ている?人がいた。
疑問なのは走っているにしては速すぎるからだ遠くに見えていたのが瞬きする間にたちまちすぐそこまで来ていたからだ。
そして、馬を操作するのも忘れて固まっていると、チャンスだとでも思ったのか一匹がもう一頭に噛みつこうとしていた、慌てて避けようとしたが間に合いそうにないと諦めてしまったとき、噛みつこうとしていたヘルハウンドが凄い勢いで馬車の後ろに飛んでいった。
その光景を見た瞬間ただの直感だが、もしかしたら助かるかもしれないと、なんの根拠もないのに思った。
そして、それはすぐに確信へと変わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、馬一頭はなんとか殺されずにすんだな。
しかし、さっきからやたらと御者の男に見られているな、俺自身もさっきのオオカミ?を蹴った結果には驚いているんだが。
まさか、10m以上も飛んでいくとは思わなかったからな。
だが今はそれよりもこの状況を何とかしないとな。まだ、10匹以上が回りを囲んでいるからなどうしようか、いちいち殴ったり蹴ったりだと時間がかかるからな何か刃物でもあればいいんだが、聞いてみるか…。
「すまない、何か刃物はないか?」
もしかしたら、言葉が通じないかもしれないとふと思ったんだが、無事通じたようだ。
<え!あ、はい。これでよければ使って下さい>
渡されたのは刃渡り15cmぐらいの鉄で出来たナイフだった。丁寧に手入れはしているが強度はあまり高くなさそうだな。
これだと、あまり雑な使い方はできないな必要最低限で仕留めていくしかないか。
「ありがとう、後は俺がやるからこの場からあまり動かないでくれ」
<は、はい。ですが、ヘルハウンドは鉄でも噛み砕きますから気をつけて!>
「わかった」
(このオオカミ?はヘルハウンドって言うのか)
男の忠告を聞いて、戦闘に意識を切り替える。
得物は違うがなんとかなるだろう。
(これは、囲まれるとやっかいだな…)
(まずは、…)
(この囲いから崩す!)
馬車を中心に前を半円に囲んでいる13匹の内の一匹、馬車の正面に位置するヘルハウンドを標的として、相手が動き出すまえに一歩で横まで踏み込みヘルハウンドの喉の部分を左側面から右手に持ったナイフで一閃する。
斬ると同時に血が噴き出し俺を返り血で染める。
(ッッ!!…これが、肉を、骨を、命を奪っていく感触か…)
今まで、無機物を斬ったことは無数にあるが、生き物を斬ったのは初めてだった。
斬っていく瞬間にナイフを握る手を止めそうになったが、意思でねじ伏せて振り抜いた。
(今は、人を助ける為だ!)
まだこの時点では、一匹も周りを囲んでいるヘルハウンドは気づいてはいない。そして振り抜いた右手はそのままに、右足から左足へ軸足を移動させて半回転しながら、少しナナメに位置していたヘルハウンドの首の左側面を斬ると同時に踏み込み、途中ナイフを逆手に変えながら正面に位置する2匹のうちの1匹は、首上部を斬りながら走り抜け、またナイフの持ち手を戻しながら左手を添え2匹目の首の左側面を斬り払った。
この時点で、馬車の周りを囲んでいたヘルハウンドが気づき始め、一番近くにいたヘルハウンドが左から上半身に飛びかかってきたが、地面に倒れるように躱しながら右手でナイフを横薙ぎにして、ヘルハウンドの腹を斬り裂きながら体を回転させ地面に体の正面がきたときに踏み込んで地面すれすれを這うように駆け抜けながら、正面やや右に位置する2匹を捉え1匹目を顎下から脳にかけてナイフを一突きして、そのままヘルハウンドを左に倒すようにしながら同時に飛びかかってきた2匹目を、右足で頭を上から蹴り落とした。
(本当に蹴りの威力がすごいな…)
そこには、蹴り落としたヘルハウンドが頭の原型をほとんど残しておらず、地面に少しめり込んだ状態で横たわっていた。
(だが、これで馬車からの左半分は片がついたな…)
ここまで、最初の1匹目に斬り込んでから7匹目を蹴り落とすまでの行動全てを10秒もかからずに終えている。そして、仲間がやられているのを見ていた為か、ヘルハウンドの方から襲いかかってこようとはしてこない。
(このまま引いてくれるといいんだが…)
だが、やはりそう都合よくはいかず、残り6匹の内3匹がこちらに向かってきた為、後の3匹も視野に入れつつ向かってくる3匹に対応する。
(なるほど、3匹が左右正面から時間差で飛びかかって動きを封じようとしているのか、動物にしてはすごいがこの程度ならッ!)
まずは、予想通り真ん中のヘルハウンドから飛びかかってくる。それを、左に大きく避け次に飛びかかってきていたヘルハウンドの横腹を真横に蹴り飛ばす。すると、右方向から飛びかかってこようとしていたヘルハウンドの方に飛んでいき空中で衝突しそのまま、2匹とも飛んでいく。そして、蹴り飛ばした次の瞬間には最初に飛びかかってきたヘルハウンドの右側面まで移動して、ヘルハウンドが着地するのと同時にナイフを首に振るった。巻き込んで飛んでいったヘルハウンドはまだもしかしたら生きているかもしれないが、よくて内蔵の破裂だろうから起き上がっては来ないはずだ。
そして、続いて後の3匹が来ると思っていたが見ると今はもう完全に怯えているようで、目があったヘルハウンドから順に馬車の後ろに逃げていった。
「逃げた、か…」
後は、
「今から後ろの加勢に行く、前にはヘルハウンドを来させないようにはするが、もし来たときの場合にナイフを返しておく」
そして、ナイフを返そうとしていたら御者の男が、
〈あ、あなたは大丈夫なんですか?〉
「ああ、素手でも戦えるみたいだからな」
それだけを伝えるとナイフを渡して後ろに向かった。
★★★
馬車の後ろには2人乗っていたようだ。
1人は頭までフードを被っていて、もう1人のあれは、…
「…エル、フ?」
ファンタジーの物語で出てくるエルフによく似ていた。あまりに、衝撃的だった為に足が止まりかけたが、今の状況を思い出し場の把握をした。
後ろの方が数が多かったはずだが、今はもう10匹も残ってはいなかった。それでも、まだあきらめてはいないのか逃げようとしているヘルハウンドはおらず2人を囲むような位置に7匹がいた。
そこへ、一番近かったヘルハウンドがこちらに気づかないように瞬時に接近して、横腹を右足で蹴り飛ばした。
すると、2人を囲むように位置していたヘルハウンドが、俺に気づくと3匹ほどが逃げ出した。
「なんだ、まだ懲りていなかったのか」
(まあ、勝てない敵だと理解して再度逃げるだけまだマシか)
そして、残った3匹はヘルハウンドを蹴り飛ばした俺を見ている隙に、エルフが弓矢で1匹を射殺し、フードを被った奴は、火の魔法の拡散型?で2匹を焼き殺していた。逃げたヘルハウンドはもうかなり遠くにいて、あの調子だとこちらに戻ってくる可能性は低いだろう。
(終わった、か・・・)
戦闘で張っていた気を緩めた瞬間、突然目の前が暗くなった。何がおきたのか把握しようとしたが体が動かない。
(ああ、俺は・・・倒れようとしているのか・・・)
そして、完全に視界が見えなくなる前に慌てて駆け寄ってくる2人の女性が目に映った。
(なんだ、両方女だったのか・・・)
駆け寄ってくる2人の女性が聞いたら怒りそうなことを考えながら、完全に俺の意識は闇に飲み込まれていった。
次話・・・過去と出会い (仮)




