第7話 ふしぎな木の実(1)
年下弟子さん好きに愛を込めて!
ルークは、マリィの営むホラン堂で働くことになった。だが、駆け出しの魔法使いマリィには、人を雇えるほど鑑定の仕事もお金もない。だから、マリィは、鑑定の仕事がないときは(ほとんどだが)薬草を摘み、薪を背負い、それをお金に変える。
あくる日、マリィは城壁を抜けて外に出ると森の中に分け入る。藪を切り裂きながら、獣道を進み、薬草が採れる場所にたどり着いた。ルークは、その後ろをついてくる。
「さあ、薬草摘みを始めるよ!」
マリィがルークに説明をする。
「これが、ソラの葉っぱ。根っこも使えるから、そっと掘り起こしてね。あと、これがモネ茸。スープにすると美味しいの」
いつくかの薬草や茸を採取し、籠に入れる。
籠がいっぱいになる頃、ルークはキョロキョロとあたりを見回し、口を開いた。
「蜂蜜の匂いがする」
「え!?どこから?」
マリィは驚いて口を開いた。今まで何度も訪れていたこの場所なのに、一度も気づかなかった。
ルークが大樹のウロを指さす。よく見ると時折、ミツバチが飛んでいるのが見える。
「あんな高いとこかあ。木登りは得意だけど、煙幕の準備がないわ」
マリィは残念がる。
蜂の巣から蜂蜜を取るには、蜂を落ち着かせる薬草を燃やしてたっぷりと煙を出し、薬草の煙で蜂から襲われないようにしながら、巣蜜を切り取るのだ。
ルークは、革袋を手に取ると、ちょっと待っててと言い残し、スルスルと木を登っていった。
「あ、待ってよルーク」
マリィは、木に登ろうとしたが、ルークほど上手に登れない。さすがは森の人、獣人だ。
ふうふう言いながらルークを追って木をよじ登っていると、上からスルスルとルークが木を降りてくる。
「用事はすんだよ。ほら」
ルークが手にした革袋を広げる。そこには、美味しそうな巣蜜が両手いっぱい詰まっていた。
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