表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/14

第6話 弟子にしてください(3)

年下弟子さん好きに愛を込めて!

 マリィは、ルークの目の前にペンダントを置いた。 「忘れな草の雫のネックレス」の静かな一粒の青い雫は、つけた者の思い出を呼び覚ます。


 「僕の探し物は、これです」


 だが、ルークは手を伸ばさない。いや、伸ばせないのだ。


 ルークの頬から、涙の粒がポロポロとこぼれた。


 触れるだけで思い出を呼び覚ますこのアイテムは、ルークの小さな胸をかき乱す。


 母が昔見せてくれたこのネックレスは、彼女と共に特別なものだった。だが、持ち主の強い魔力がなければ平静ではいられない。


 触れれば己の悲しみに取り込まれ、取り乱すことも知っているルークは、ただただ母の形見のネックレスを泣きながら見つめるだけだった。


 「ルークが大人になって強い魔力を操ることができれば、身につけても影響を受けにくくすることが出来るわ。」


 マリィは、そう言いながら宝箱にネックレスを戻す。できれば、ルークにネックレスを返してあげたい。しかし、ネックレスにはまだ触れないルークと今の持ち主のアンヌ。どうしたものか。


 ふと、マリィは思いついた。


 ルークが大人になって魔力を操れるようになり、このネックレスを身につけられるようになれば、アンヌからこれを買い取れるかもしれない。


 このネックレスには、強い想いが込められているから、ふつうの人には身に着けることは出来ないだろう。でも、ここにどうしても欲しいルークがいる。


 今はまだ触れなくても、母の形見ならば、きっとルークを守ってくれるはずだ。


 「ルーク、今は残念だけど…」


 「僕を弟子トピーにしてください!!」


 マリィは、口をポカンと開けたまま、立ち尽くした。


 高窓から朝日が柔らかに部屋に差し込む。


 ずっと俯いていたルークの、強い意志を秘めた瞳がそこにはあった。ネックレスの石と同じ深い青色を、このときマリィは初めて見た。

お読み頂きありがとうございます!

感想、イイね、ブクマなど励みになります。次回も楽しんでもらえるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ