第4話 弟子にしてください(1)
年下弟子さん好きに愛を込めて!
「ねぇ、お腹空いてない?」
マリィは、小さな訪問者を怖がらせないように笑顔を作った。子どもの驚いた口からポロリと芋が落ちる。どうやら、腹が減りすぎてかごの中の芋を生でかじっていたようだ。あんな夢を見た後だろうか。幼い頃の弟の顔が頭をよぎった。
相手から怒りや悪意は感じない。おそらく大丈夫だろうと、マリィは判断した。そして、こんな小さな子に、夜中によその家で生の芋を齧らせてはいけないと思った。
小さなこうべは、こくりと頷ずく。
「良かった!私もちょうど干し芋が食べたかったところだったの」
マリィは、かまどに残った炭に少量の薪をくべ、パチパチとはぜる火の上で干し芋をあぶりはじめた。水瓶から水をくみ、木の葉と赤い実を少しだけ加えて茶を沸かしはじめる。
マリィにできる最大限のもてなしが伝わるといいなと思いながら。
「さあどうぞ」
香ばしく炙った干し芋の入った皿と木のカップに入った甘い匂いの漂う飲み物を二つテーブルに並べる。
子どもは、どうして良いか分からないと言うように、マリィとテーブルの上を交互に見ている。
マリィは、干し芋を手に取り、どうぞと子どもに手渡した。自分は湯気の立つカップを手に持ち、唇に当てる。
長い夜のはじまりだった。
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