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第12話 本当のすがた(3)
年下弟子さん好きに愛を込めて!
マリィがそっと手を伸ばすと、ルークは前足を折り、頭を差し出す。あの、ピンピンとはねた銀色交じりの濃い灰色の髪の毛は、美しい巻き毛となってマリィの指の間を滑っていく。気持ちよさそうに細める瞳には、ルークの面影が残る。
「まだ、弟子でいられる?」
おずおずとルークは尋ねるが、マリィの答えはもう決まっている。
「もちろんよ。これからもよろしくね、ルーク」
ルークの尻尾がブンブンと大きく左右に振れる。マリィは、まるで子犬のようだなと思った。
ひとしきりビックリしたりモフモフしたりした後、ルークは人型に戻った。
魔法を使うには、不向きのように思われるが、なにせマリィの家は小さい。天井に届きそうな狼の姿で過ごすには、不都合がありすぎるのだ。
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