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夢の旅  作者: 秋川 味鳥
旅の始まり
44/52

エピローグ ー???ー

 人が立ち入らない世界の果て。

 そこにひっそりと存在する場所。

 美しき木々。

 美しき水辺。

 こんな簡単な言葉では表せない。

 まさに、どの風景切り取っても絵画となるような幻想的とも言える森、そして泉。

 その景色の中で、一瞬だけ雑音となる存在がある。

 それは、泉の真ん中に居る一人の人間。

 小汚いボロボロの服を身に纏い、だらしなく寝そべっているその存在が、この景色を眺める中での唯一のノイズとなる。

 だが、それを感じるのもほんの一瞬だ。

 理由は2つ。

 まず、それが子どもであること。

 子どもとはただそれだけで無垢なるものの象徴。小汚い格好をしていても、だらしなく寝そべっていても、子どもであれば、幻想的な景色に存在することが許される。

 そして、2つ目の理由。

 それは、その子どもが浮いていることが原因だ。

 泉の少し上空を、風に流されたりもしながらフワフワと浮遊する。

 魔術が存在するこの世界でも珍しく感じる浮遊方法に、見たものは魅了されることだろう。


 子どもは目を瞑ったまま、ピクリと眉を動かすとガバッと腰を起こす。

 そして、ゆっくりと目を開ける。

 その瞳は正しくこの幻想的な世界に合ったものだった。


 七色に輝く瞳。


 このボロボロの少年?がこの景色に存在する意味を表すかのような瞳。

 だが、何かおかしい。

 その瞳は時々曇るのだ。

 美しく光る時もあれば、酷くくすんだ色になる事もあって…………?

 いや、何か変だ。

 もう少し、よく見てみる。

 そして、気付いた。

 これは目が輝いているのではない。

 彼?の瞳には無数の映像が目まぐるしく写っていた。

 それが、時に美しく、時に醜く光っていたのだ。


「人間があまり見るものじゃないよ。

 色々壊れちゃうから、気をつけて。」


 …………?

 誰に向けた言葉か、少年?は孤独に呟く。


「…………ようやく、僕も楽しい日々が送れそうだ。

 なるべく早く、ね。」


 少年はそう呟くと、一つ大きな欠伸をする。

 そうして再び寝転んだ姿勢に戻ると、また寝息を立てながらフワフワと浮かぶのだった。

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