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頑張る理由

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ずっと足を運びたいと思うんですよ。

口とは裏腹になる事も多いですが。

Q,何故頑張る事にしたか?

A,この場所に居続ける為。この場所に戻り続ける為。


『頑張る』という言葉が生まれてこの方嫌いである。苦行を超えた先に何があるかって言われたら、苦行が待ってるだけ。終わりなんかない。ずっと頑張り続けるだけ。だから嫌い。

それでも、何かしら頑張らねばならない時というものはあるもので、それが今だった。私が頑張らねば、すぐにでもこの場所を離れる事になる。それは嫌だった。絶対に嫌だった。


今日は人一倍に頑張った日だった。周期的なものと悪天候が重なって、ずっとふわふわしている。そんな状態で集中力という名の火力をぶち上げたら、椅子に座ったまま倒れるかと思った。それでも今、何とか家路に着いた。

「おかえり。……顔色が悪いね。また、無理したの?」

体調不良が天元突破して、幻覚を見ている気がする。私は一人暮らしで、部屋を開けたところで誰も居ないのに。それでもこの、目の前に居る綺麗な人を、顔に触れる手を解く事は出来なかった。

「あの場所に……ずっと居たいんだ。あの場所から離れてしまったら、自分に甘い私はきっと戻れなくなる」

幻覚に話し掛けていることは分かっている。それでも、例え幻覚でも、今は誰かに話を聞いて欲しかった。

「今の場所、電車が座れるんだ。業務も好きなんだ。人も優しいんだ。それに何より好きな場所に何度でも行ける。何度でもお会い出来るんだ」

今の場所、今の職場に居たい理由は幾つもある。居座りたい理由も幾つもある。でも多分、その中でもあえて言うならば、好きな場所、神社仏閣が、電車を通過してくれるからだと思ってる。

不況の中でも、足を気にする事無く何度でもお会い出来る。もうそれだけで、頑張る理由になる。

「呼んで下さったんだ。放り出された私を。拾って下さったんだ。全ての方が。だからずっとあの場所に居たい。……居たいから、あと少しだけ、頑張る……」

いつ気紛れで手を離されるか、縁を切られるか、分からないから。切られた時に、また自分で戻れる様に、残機を残して置かなければ。


目が覚めると、私はソファの上で丸くなっていた。目眩も収まっている。そして起き上がったその表紙にとぐろを巻いた蛇の置物と目が合った。

――ご迷惑でなければ、今週も参りますね。

頑張る事は昔から嫌いです。

終わりがないので嫌いです。

でもやらねばならない時には少しだけ頑張ります。


なんで頑張るかって言われたら、趣味のお金を費やす為です。推しに貢ぐのと同じ理由ですね。

傍から見ればそんな事でって思われそうですが、私にとってはかなり大切な理由です。


頑張ったからと言って、あの場所にいられるとは思いませんが、それでも、少しでも心の安寧の為に。

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