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閑話 エルフの過去 その8 ~サンルートの地へ~

「で、最初はどこに行く? ノンノン」

「最初は……探索者……ギルド……ダンジョンで……お金……稼ごう」

「……だね!」


 アタシたちは手を繋ぎ、探索者ギルドへと向かった。

 そうだ、まずはお金を稼がないとね。

 一応船で働いた分の金はあるけど、それだけじゃ、きっと途中で尽きる。

 アタシもノンノンもダンジョンで探索した経験はあるので、それに関しては問題はない、だけど……。


「2人で大丈夫かな?」

「大丈夫……リンちゃん……強いから……」

「ノンノンだってバリ強いよ!」

「ありがとう……」


 お互いに褒め合いつつ、ギルドへと向かう。

 サンルートは文明が発達しているのか、ファンスウィンとは違い、森の木々のように建物が林立していた。

 ……と、なんかお腹空いてきたな。


「なんか……バリ美味しそうな香りが漂ってるね」

「うん……美味しそうな……食べ物の……匂い……」


 サンルートの港に降りた瞬間から思っていたが、美味しそうな料理の香が辺りを漂っている。

 通りでお腹が空いてくるわけだ。


「おじさん、これいくら?」

「あぁ、こいつは……」

「ねぇねぇパパ! 私、アレ欲しい!」

「ははは、わかったわかった、買ってやるよ!」

「この間の試合すごかったよな!」

「あぁ、流石は俺たちサンルート人だぜ!」


 ……街を歩くと、色んな種族の人たちがお互いに笑い合っていた。

 人間に犬猫兎の獣人……違う種族の親子や、友人なども珍しくないようだった。

 エルフの奴らとは大違いだ……違う種族でも、お互いに認め合って、笑い合っている。

 私は少し驚いてしまった。


「リンちゃん……どうしたの?」

「いや……みんな種族は違うのに、仲がいいなって」

「うん……サンルート王国は……『女王陛下』のおかげで……みんな……仲良し……女王陛下は……サンルートの……象徴……だから……」

「へぇー……」


 だからこんなに文明も発達するし、美味しい料理も沢山……。

 ……って、また料理の事を……。


「とりあえず……探索者ギルドで……登録……済ませよう……」

「そうだね!」


 食欲に負けそうになったが、今は登録が先だ。

 しばらく歩き続けていると……。


「探索者ギルド総本部……ここだね!」

「うん……入ろう……」


 ギルドに到着し、中に入る……と、その時。


「ねぇねぇ、君誰とも組んでないんでしょ? 俺たちと組もうよ」

「きっと楽しいよ!」


 牛の角が生えた女性が男性の獣人2人に詰め寄られていた。

 女性は困った表情をしていて、その場で硬直していた。

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