第81話 「幻滅も何もない」
「つまらなそうじゃない……むしろ楽しそうに聞いてくれている……かな?」
「……じゃあ、幻滅も何もないじゃないか?」
「……」
ゴルドの一言に、私は黙ってしまった。
幻滅も何もない……か。
「そうだよルリルリ! 実際、ルリルリがやってくれた話、バリ面白かったよ!」
「せやなぁ、子どもたちが見たらきっとワクワクすると思うで」
「うん……私も……そう思う……」
面白くて……ワクワクする。
そうだ、私はそのためにこの紙芝居を作っていたんだ。
子どもたちに楽しみを与えたい……その一心で、この紙芝居を作っていたんだ。
「……みんなごめん、ちょっと……ダンジョンだったり、他にも色々あって、気持ちがネガティブになっていたのかも」
「うん! ポジティブが一番だよ! ルリルリ!」
リンが私に近づいて、肩を叩いた。
「……さ、瑠璃ちゃん。紙芝居を終えたところで、お風呂に入っていらっしゃい」
叔母さんが手を叩いて、そんなことを言ってきた。
うん、そろそろお風呂に入ろう。
「叔母さん、ゴルド。ごちそうさま」
「ハクハク! ごちそうさま!」
「今日も美味しかったです、おおきに」
「美味しかった……ごちそう……さま」
「はいはい、お粗末様」
みんなで感謝の言葉を述べる。
なんか、いつもより暖かく感じた。
「じゃあ食器は私が片付けておくから」
「あ、琥珀さん! 私も手伝います!」
「そうかい、じゃあゴルド、一緒に来ておくれ」
「はい!」
叔母さんとゴルドは全員分の食器を抱えて、居間を後にした。
するとリンが私に抱き着いてきた……突然何!?
「じゃあみんなでお風呂入ろっか!」
「ま、また!?」
また混浴!? いや、嫌ではないけどさ……。
「ほら、ラピラピにノンノン! 早く行こ!」
「ほな、さっぱりしていきましょか」
「瑠璃ちゃん……また体……洗って」
うん、またみんな合意しちゃったよ。
ま、いっか……。




