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第75話 前に進む一行

「……そう……ですね!」


 リンの説得にアリスさんは立ち直ったのか、元の笑顔に戻った。


「私、頑張ります! 頑張って、これ以上犠牲になる人を無くして見せます!」

「その意気や! アンタならいけるで! アリスはん!」


 ラピスはアリスさんの肩を叩き、激励を送った。

 きっと彼女ならいける、私はそう確信した。


 ……その後チャラい集団は、お礼を言って、どこかに去っていった。

 流石に馬鹿にしていた人に助けられたんじゃ、もう同じ行為はできないであろう。

 彼らは前に進むことはできるのだろうか? ……流石に親しい人を無くしてしまったわけだし、今は心の入れ替えが先なのかな。


 ……そんなこんなで、アリスさんとも別れの時間が来てしまった。


「……では、私は早速、仲間を探しに行きます! 皆さん、今日はお世話になりました!」

「こちらこそありがとう、アリスさん、気が向いたら……私たちの家に来てね」


 私は咄嗟にメモ用紙で駄菓子屋の住所と場所が書き、アリスさんに渡した。


「これ……なんて読むんですか?」

「『いかいや』だよ」

「いかいや……文字はまだ読めませんけど、勉強して、必ず行きます!」

「待ってるからね」

「はい! それでは、また!」


 私たちはお互いに手を振り、アリスさんを見送った。

 アリスさんにはきっと日本で明るい未来が待っているだろう……私はそう信じてる。

 私も彼女を見習わないとなぁ……。


「……そういえばルリルリ、大学院は?」

「……あっ」


 そういえば色々あって忘れてたけど、大学院!

 携帯を見ると、教授や研究室のメンバーから着信やメッセージが大量に来ていた。

 ……今は、やるべきことをやらなきゃね。


「ごめん! 皆は先に家に帰ってて!」

「気を付けてね! ルリルリ!」

「自動車には気を付けるんやで!」

「怪我すんなよ!」

「いって……らっしゃい……」


 私は足早に大学院へと向かった。

 そして、教授にこっぴどく叱られたのはまた別のお話……。

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