表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/424

第58話 ニュースを観る異世界人 3

『なので、ここでは彼らをサンルート人と呼びましょう。サンルート人は全国各地に現れ、ほとんどの者が、道路で寝ていたり、公園を占拠したりしているようです、警察は彼らの対応に追われている模様です』

『不安ですねぇ、もしかしたら、暴徒化して、私たちの生活も危なくなるかもしれません』

『ここで、例を挙げてみましょう、こちらはトルコのアフガニスタン人による難民キャンプです、ここには2万人に近い難民が住んでいます、彼らの中には強盗や暴行事件を引き起こすものが多く、暴徒化したトルコ人がアフガニスタン人を襲う、なんてことも起きているみたいですねぇ』


 ラピスとキセノンはキャスターの話を聞き……身が震えていた。


「暴徒化……有り得そうな話やな

「うん……怖い……確かに……ありそう……」

「……どうした? 2人とも」


 ゴルドはそんな2人を心配して、声を掛ける。


「……つまり、今この国におるサンルート人が略奪や強盗……その他もろもろの犯罪をやる可能性があると言っているらしいで」

「……どういうことだ?」

「ウチらはラッキーな方や、瑠璃はんや琥珀はんに一時的に泊まらせてもろてる……せやけど、ほとんどのサンルート人は、ここ日本で路頭に迷っているはずや」

「ということは……そいつらが生活に困って犯罪に走ると……そういうことか?」

「せや、ある得ない話やないやろ?」

「……そうかぁ? サンルート人がそこまで馬鹿だとは思えんが……」

「それにや、この国の人がそんなサンルート人に激怒して襲うかもしれへんと言っているんや」

「うーん……でも、琥珀さん優しいぜ? 瑠璃も悪い奴じゃなさそうだし……」


 ゴルドはラピスが展開した推論を半信半疑で聞いていた。


「ゴルドちゃん……人は……極限な状態になると……変わるよ……色んなとこ見てきたから……わかる……琥珀ちゃんと……瑠璃ちゃんが……良い人なのは……分かる」

「極限な状態ねぇ、ワシはそうは思わんなぁ、女王様がいらっしゃるんだぞ? サンルート人なら、陛下が悲しむような行為は行わないと思うが……ま、全員が全員そうじゃないのは分かるけどよ」


 ゴルドは女王陛下の威厳を強く信頼していた。

 ……そんな中、キセノンはある心配をする。


「そういえば……女王陛下……ご無事……かな?」

「さぁな、ワシらと同じくここに転移してきたのなら……無事だと思いたいがな」

「どこかで……保護……されてる……といいな」


 ゴルドとキセノンが女王について不安に思っている中、テレビの中では『未知の建物』についての話題に変わった。


『未知の生命体とともにやってきた、未知の建物ですが、こちらについても、世界各地で複数出現している模様です』

『なんなんでしょう、これは……鉄塔並みに大きいですねぇ』

『はい、こちらなんですけれども、一見するとただの不気味な建物。という印象が強いのですが、もっと恐ろしいのが、中からこれまた未確認生命体が出現したとのことです』


 キャスターが画面を切り替え、一般人が撮影したであろうモンスターの写真、そしてそれと戦う「サンルート人」の姿があった。


「未知の建物に未確認生命体……ダンジョンとモンスターのことやな」

「ラピラピ、次はダンジョンの話?」

「せや、日本……というかこの世界では、異様な存在らしいで」


 リンは納得したのか、「なるほど」と言わんばかりに手を叩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ