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第54話 気になることと動く陰謀

 キセノンが耳元で質問攻めをする。

 や、やめて……恥ずかしいから……。


「なんや? 何考えてたんや?」

「ルリルリ! 教えて!」


 2人も気になり始めたのか、質問攻めをする。

 も、もう……。


「その……皆は普段からこうやって密着して寝てるの?」

「うん! 野営の時とか……宿泊先でベッドが一個の時とか!」


 リンが質問に答えてくれる。

 なるほど、やっぱりそうなのか……。


「それで……その時ってさ、ゴルドも……一緒に……寝るの?」


 私はたじろぎながら、皆に質問をする。

 ……するとみんなは、クスクスと小さく笑い始めた。


「ははは、そんなわけないやん、さすがにあんなひげ面と一緒に寝るのはこっちからごめんや」

「ひ、ひげ面って……」


 本人がいないからって、酷い言いようだな……。


「ふふふ、ラピラピの言う通りだよ。それにさ、ゴル爺はそういう時『小娘とは一緒に寝ない!』とか言って一人だけ遠くで寝てるんだよ」

「そ、そうなの……」


 そういえばゴルドって叔母さんみたいな女性がタイプだから、そもそも興味がないのか……冷静に考えればそうだよね。

 それに、皆もそういう事は考えてないっぽいし。


「瑠璃ちゃん……なんか……安心……してる?」

「あぁ、ちょ、ちょっとね」

「別に……ゴルドちゃんは……仲間。ゴルドちゃんも……みんなを……考えて……行動……してる」

「みんなのため?」

「うん……ゴルドちゃん……口は悪い……でも……一緒に寝るのは……私たちが……嫌がる……というのは……わかってる」

「そ、そうなの……」


 うん、ゴルドのこと、ちょっと疑ってた、なんか申し訳ないことしてしまったかも。

 朝起きたら謝っておこう……うん。


「ふぁー……なんか、アタシもバリ眠くなってきたかも」

「ウチもや……そろそろ眠らせていただくで」

「……私も」


 3人は眠くなってきたようだ。

 私も……寝るか。


「おやすみ、みんな」

「おやすみ……ルリルリ」

「ほな、おやすみ」

「おやすみ……なさい」


 私は、そっと目を閉じた。



 ……その頃、とある地。


「……殿下、異世界との融合、ほぼ完了しました」


 ローブを着た人物が、殿下と呼ばれる、玉座に座る女性に話しかけた。


「……ご苦労、ダンジョンはどうですか?」

「はい、異世界の各地に、順調に増えています」

「……いよいよですね、初代の野望である、『世界の統一』の第一歩が、踏み出されたようですね」

「はい、このまま行けば、世界中は種族によって団結、やがて戦争が起き、ダンジョンによって市民の生活は圧迫……長い年月が掛かるかと存じますが、その分確実でしょう」

「えぇ……それでは、我々は我々で、着々と軍事力を高めておきましょう……」

「……はい」


 ローブの人物は、足早に、玉座の間を後にした。


「ふふふ……異世界の民よ、震えあがりなさい……ダンジョンの脅威は、これからです」

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