第52話 DVD
「どうしたの? キセノン」
「瑠璃ちゃん……気になってたけど……これ……なに?」
「あぁ、そっか」
キセノンは円盤を抜き取り、私に見せびらかす。
そういえば、円盤のことよくわからないか。
「これはDVDっていうの」
「でぃー……ぶい……でぃー?」
「そう、こうやって使うの」
私はテレビをつけ、再生機に円盤を入れた。
「うわぁ? なんか一瞬変なの映らなかった!?」
「さっきのはテレビ番組……まぁなんて言えばいいかな……映像が一か所から色んなところに配信される現象だよ、と、始まるよ」
私が画面に指を差すと、4人はそれに釘付けになった。
『新西暦2012年、人々の生活の要となった未知のエネルギー……』
「おおお……すごい……」
「なんやなんや!?」
「バリかっこいい……」
3人は映像の中に流れる特撮に驚きを隠せなかった。
キセノンもこれに目をつけるとはお目が高い、これは私の大好きな特撮の一つ、『特例戦隊ゴーダスターズ』だ。
「しばらく観てみる?」
「うん……観たい……よくわからないけど……面白そう……」
「ウチも気になる!」
「アタシも!」
「ふふふ、じゃあちょっと観てみようか」
誰かと一緒に特撮を観るというのは初めてかもしれない、ずっと一人で観てたし、共通の友達もいなかったし。
私たちはその場に座り込んで、テレビに集中した。
「ほらほらキセノン! テレビに近づいちゃダメ! 目を悪くするよ!」
「あ、ご、ごめん……」
☆
「ふぁー……結構観たね」
時計を見ると、既に夜になっていた。
時間が経つのは早い、夕食食べて早く寝よう。
でもちょっと眠いな……色々あったし。
「瑠璃ちゃん……私……もっと……観たい……」
「キセノン、明日起きられなくなっちゃうよ? それにこの後夕飯もあるし……」
「私……まだ……眠く……ない」
「あぁ、吸血鬼だから眠くないとか?」
「うん……」
命が長いから、その分睡眠も短いのであろうか?
ていうかダンジョン潜って疲れてないのかな?
「うん、正直アタシもバリ眠くない」
「ウチもや、まだまだお目目ぱっちりやで」
「みんなもか……私は、ちょっと寝たいかな」
どうやらリンとラピスも眠くないらしい。
「……瑠璃ちゃん……眠い?」
「うん、皆眠くないなら、続き観てていいよ。音小さくしてね」
「……瑠璃ちゃん……寝るなら……私も……寝る」
「いや、いいよ、私のペースに合わせなくても……」
「だって……瑠璃ちゃん……仲間……だから……寝る……」
「な、仲間?」
言っている意味がよくわからない、仲間だから一緒に寝る?
「せやなぁ、ここはウチも」
「じゃあアタシも! ルリルリと一緒のベッド、バリ楽しみ!」
「た、楽しみ?」
「ほな、はよ布団に入らな」
ラピスが掛け布団を持ち上げ、中に入った。




