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第47話 感謝の言葉とカレーライス

「なんだい? 動物とか人間とか……」

「あぁ叔母さん! 何でもないよ!」

「……? ま、早く席に着きなさい、3人とも」


 流石に詳細な情報を叔母さんには言えない。

 カレーが6人分配られる。

 さて……。


「いただき……」

「……犠牲になった動物や植物、それに関わったすべての人に感謝いたします! いただきます!」

「……リン?」


 リンが両手を重ね、まるで聖書の一文を読み上げるように感謝の言葉を述べた。


「犠牲になったすべての生物、犠牲のための職に携わるすべての人に感謝します、ほな、いただきます」

「我が命のために犠牲になったすべての生物、それに関わる職の人々に感謝いたします、いただきます」

「すべての生物……関わった人……すべての人に……感謝します……いただき……ます……」


 異世界からやってきた3人組、全員同じように、感謝の言葉を述べている。

 なるほど……これが異世界の「いただきます」か、じゃあ私も。


「……私たちのために犠牲になった動物たち、植物たち。そしてそれに関わった畜産業の人、農家の人、すべての人に感謝いたします、いただきます」

「なんだい皆……まぁ、私も。すべての人に感謝します、いただきます」


 私と叔母さんも感謝の言葉を述べ、早速カレーを口に運ぶ。

 うん、やっぱり美味しい。

 叔母さんのカレーは他のご家庭とは違う、本場風味のスープカレー、肉は使わず野菜から出汁を取った、ガチのカレーなのだ。

 ……みんな、辛くないかな? 咳き込んだりしないよね?


「「「「……」」」」


 4人は手を止め……下を向いた。

 や、やっぱり……合わなかった?


「だ、大丈夫? お口に合わなかった?」


 叔母さんは心配したのか、4人に声を掛ける。

 私も心配だ、大丈夫だろうか?


「う……うぅ……」

「り、リンちゃん!? や、火傷でもしたのかい!?」


 リンは涙を流している……叔母さんはリンに近づき、声を掛けた。

 私もじっとしていられず、リンに近づいた。


「……お」

「「……お?」」

「バリ美味しいんですけどおおおおおお!?」


 リンは顔を上げ、叔母さんのカレーを食べ進めた。

 咀嚼をしているのかどうかわからないスピードで食べ進めてる……。


「な、なに!?」

「ま、まぁ……リンちゃん、そこまでかい? 早食いしちゃだめだよ!」


 リンは涙を流しながら食べてる……そこまで美味しい?


「美味い、美味すぎるわ……こんなに美味しいもの食べたの久々やわぁ……」

「琥珀さん、料理も最高ですね!」

「美味しい……最高……」


 3人も同じように、かなり速いスピードで食べ進めている。

 そ、そんなに美味しいんだ、叔母さんのカレー……私も大好きだけど。


「そ、そんなに美味しいのかい? 私のカレー……こんなに喜んでくれるの初めてだねぇ……」


 叔母さんももらい泣きしたのか、涙を流した。

 うん、叔母さんのカレーは異世界にも通じるんだ。

 さ、私も食べよう。


「ハクハク! おかわりある?」

「ウチも欲しいわぁ」

「私も……」

「琥珀さん! もっと作りましょう!」


 えぇ!? もうお皿空なの!?

 いや、叔母さんの料理はそりゃ美味しいけどさ……。


「はいはい、じゃあ皆お皿もってこっち来て」

「わぁい! ハクハクありがとう!」


 4人はまるで子どものように台所へと駆けていった。

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