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第355話 トドメ

「……みんな! 集まって!」


 突然、キセノンがそう呼び掛けた。

 ……よもや四の五の言ってられない! 集まろう!

 私たちはお互いに結集した。


「ど、どうする気なの!?」

「クロムちゃん……キマイラに……なって……」

『ええ!? そしたらお前ら……』

「……いいから!」

『お、おう!』

「みんなは……カードを腕輪に!」


 クロムが離れると同時に、私たちはカードを通し、いつもの鎧に身を纏った。

 クロムは人間の姿となり、その場に留まった。


「みんな……クロムちゃんに……武器を……」

「武器? お、おい! 俺に武器を渡してどうすんだよ?」

「……大丈夫……私を……信じて!」


 私たちはお互いの武器をクロムに託した。

 お互いの武器をクロムの託すと……クロムは……全身に光を放った。


「おおおおおお!? なんだ!?」


 クロムは……私たちの武器を掛け合わせ……巨大な大砲に変貌した。

 え!? なにこれ!?


「秘密……兵器……念のため……入れた……これで……奴に……攻撃を!」

「う、うん!」


 私たちは神輿の様に大砲となったクロムを持ち上げた。


「瑠璃ちゃん……トリガー……引いて」

「わ、私が!?」


 た、確かに今引き金握ってるのは私だけど……。


「そんな大砲を作り出したところで……貴様らは消える運命だ……ここで……死ねぇ!!」


 奴は飛び上がり……こちらに向かって拳を向けた。

 よもややるしかない……。


「行くよ! みんな!!」

「うん!」

「行くで!」

「やってやるぜ!」

「私達なら……行ける!」

『俺も行けるぜ!』


 私は覚悟を決め……トリガーを引いた。

 トリガーを引くのと同時に……大砲から、光り輝く光線が放たれた。

 光線は……真っ直ぐと飛び……奴の体を貫通させた。


「ぐわあああああああ!! クソ……この私が、探索者風情にいいいいいいいいい!!」


 奴は滑稽な叫び声を上げ……闇の光は……ゆっくりと消えていった。

 大砲が放たれるのと同時に……私たちの変身は解かれてしまった。

 クロムも、人間の姿に戻り、その場に座っていた。


「……あれ?」

「ごめん……これ……最終……手段」

「最終手段?」

「うん……この機能……使うと……しばらく……変身……できない」

「そ、そうなの……」


 でも、状況が状況だったし……仕方が無いか。

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