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第351話 探索者の答え

「……いい? この世界の人は……そんなに単純じゃない!!」

「……何?」

「確かに、迫害する人だっている、訳が分からなくなって、馬鹿げたことをする人だっている……でもそれは、『ただそういう人もいる』ってだけだ!!」


 ……クロムの受け売りかもしれないが……私は断言できる。

 この世界は……そういう人ばかりではない! 叔母さんや探索隊のみんな……受け入れてくる人だって大勢いる!


「ふふふ……めでたい奴だ、現実に起こっていることを見てみろ! エルフの奴らは同族で殺し合い、挙句にこの世界の人間に殺害された、サンルートの奴らも同じだ、この世界の人間に迫害されているではないか!」

「それは今はそうなってるってだけだよ!!」

「……リン?」


 皇帝の言葉に、リンは反論の言葉を投げかけた。


「確かに今は、『私たち』のことをバリ酷い目で見ている……でもそれは、『今はそう』ってだけ!!」

「……せや! 今のウチらは軽蔑の目を向けられているかもしれへん……でも!」

「諦めなければ、いつかは認めてくれるかもしれねぇ!!」

「私……この世界……大好き……だから……諦めない! 認めてもらうために……修行する!」

「そうだ! この世界はピカピカも沢山あるんだ!!」


 ……みんな……そんな風に考えてくれてたんだ。


「……ふふふふ……あははははははは!!」


 ……皇帝は……皆の言葉を聞いて……笑い出した。


「……なるほど、それがお前らの答えというわけだな……折角チャンスを与えてやったのに、馬鹿な奴らだ……こうなれば、予定変更だ……『ディスペル』!!」


 皇帝が呪文を唱え、腕を払うと……暴風が私たちを襲った。


「……あれ? ……魔力……消えた?」

「……どういうこと? キセノン」

「今……変身……できる」

「……え?」


 つまり……皇帝は、私たちに塩を贈ったってこと? なんで?

 ……ふと、奴を見てみると……私たちと似たような腕輪を取り出し……自らの腕に嵌め……懐から、カードを取り出した。

 ま、まさか……。


「……転生」


 ……奴は掛け声を上げ……カードを腕輪に通した。

 

『転生……探索者……タイム、アウト……マーメイド ウォーリアー……』

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