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第41話 体を洗う 2

「はい、ラピスは終わり、次はキセノン」

「うん……」


 キセノンの背中は……かっっっっっっっっっっった!! 黒曜石!? 黒曜石なの!?

 そのくらい逞しい背中をしている……こんな小さな体で!?


「ず、随分逞しいね……」

「うん……鍛えてる……から……」


 いやいや、鍛えてるってレベルじゃないよこれ!? 見た目以上にすごい……。

 創作物の吸血鬼って確かに力が強いことが多いけど、これほどまでとは思わないよ流石に……。


「瑠璃ちゃんも……そうなると……思うよ」

「いやいや、流石にここまではね……」


 私がここまで? まさか……。

 ……と、キセノンの場合、背中以外にも洗うところが……。


「……羽、洗うよ?」

「うん……洗って……」


 そうだ、彼女の翼を洗わなければ……と、ちょっと待って。


「ど、どういう風に洗えばいい?」

「あんまり……力は……入れないで……傷つくから」

「う、うん……」


 やはり羽はデリケートな部分なようだ、実際のコウモリの羽もかなり薄い。

 私は片方の手のひらで翼を支え、もう片方の手で優しく拭いていく。

 硬い背中と比べて、羽はなんとなく柔らかかった。


「あ……ん……」


 キセノンが色っぽい声を上げる。

 しゅ、集中できない……。


「き、キセノン? 大丈夫?」

「うん……ちょっと……くすぐったい……もっと……強くても……いいよ?」

「あ、うん……」


 私は先ほどとは若干強めに羽を擦る。

 羽……傷つかないよね? 血とかでないといいけど……。


「これくらいで大丈夫?」

「うん……大丈夫……でも……やっぱり……くすぐったい」


 ……なるほど、いくら鍛えていても、羽はデリケートなようだ。

 キセノンの弱点はここなんだね……戦う時も羽には気を付けてるのかな?

 そんなこんなで、羽を洗い終え、キセノンの体全体を洗い終えた。


「……さ、キセノンも終わり」

「ありがとう……瑠璃ちゃん……」

「ねぇルリルリ! アタシ、髪の毛洗い終わったよ!」

「ウチも終わったでー」


 キセノンの体を洗っている間に、2人は髪の毛を洗い終えたらしい。

 そういえば自分の体を洗うのを忘れていた……さぁて私も……。


「あ、ルリルリ! アタシが体洗ってあげる!」

「ウチも手伝いさせてもらいますわ」


 リンが先ほど私がやったように、アカスリにボディソープを付け、泡立て始めた。

 ラピスはシャンプーを掌に乗せ、泡立てる。


「いやいや、自分で洗えるから……」

「遠慮しなくていいよ!」

「せやせや、ウチらに任せとき」


 有無を言わさず、2人は私の体を洗い始めた。

 なんか、誰かに体を洗ってもらうなんて、子どもの時以来な気がする。

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