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第343話 捕縛

『探索者の雄叫びあり! 吠えろ!! イセカイザー!!』


 そんな音声と共に、私たちは巨大な戦士……イセカイザーに変身した。


『よぉーし! 覚悟しろよ! お前はピカピカとは程遠い……ドロドロだ!』

『い、言うね……クロム』

『そうだね! ロムロムの言う通り、ドロドロ倒そう!』

『よぉーし! 前進だ!』


 クロムの主導の元、私たちは職種の怪物に向かって行った。

 だが……。


『うおおおお!? なんや!?』

『触手が……地表から……』


 地表から触手が飛び出してきて、私たちの腕と脚に巻き付いてきたのだ。

 なんとか捕縛から抜けようとするも……職種の力が強く、抜け出すことができない……。

 触手の力が強くなっていき、私たちの手足が引きちぎれそうになってきた。


『どうしよう……痛い……』


 あまりの痛さに、手足の神経が無くなって来ていた。

 どうしよう……これじゃあ抵抗しようにも……。


『……探索者共……そして……裏切り者のキマイラめ! このまま……くたばるがいい!!』


 触手の怪物は、私たちにそう語り掛けた。

 私は反応する余裕もなく、痛みに苦しんでいた。

 しかし……一人だけは、意識を持っていた、それは……。


『俺は裏切ったつもりはない! お前らが教えてくれなかった……ピカピカを守りたいからこっちに着いたただけだ!』


 ……クロムだった。

 クロムだけは痛みに意識が行くこと無く、怪物に向かって抵抗を見せていた。


『ピカピカだと……?』

『あぁ……お前らには持っていない……素晴らしいものだ!』

『そんなもの……くだらない!』

『……くだらない?』


 クロムの怒りの感情は……私たちに伝わってきた。


『くだらなくなんかない! この世界の人にしか持っていない……素晴らしいものだ!!』

『この世界は……我らラブカルドの支配下になる存在……それ以上もそれ以下も無い、それに、この世界の奴らは……異世界から来た奴らを差別し、軽蔑な目を向けている……そんな奴らがピカピカだと?』


 ……私は怪物の言葉に……真っ先にアリスさんを連想した。

 そして……ネット上にいたサンルート人を差別する不届き者……でも……


『そんなの……「ただそういう奴もいる」ってだけだ! この世界には……そうじゃない奴だってたくさんいる! 俺は……そいつらを信じてる!!』


 ……クロムの考えは、私と同じだった。


『……ロムロムの言う通りだね』

『せやな……確かに、そういう奴もいるかもしれへんな……』

『だが、琥珀さんみたいな人だって大勢いる……よな』

『うん……瑠璃ちゃん……碧ちゃん……親衛隊の人たち……沢山……いる』


 みんなの考えも……一致していた。

 そうだ……世の中……そういう人たちだけじゃない!

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