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第341話 自己紹介と崩壊

「それで、貴方達が瑠璃の仲間ってわけね! はじめまして、瑠璃の姉の猪飼藍です、よろしくね! えーっと……貴方がリンちゃん、貴方がラピスちゃんで、貴方がキセノンちゃん……そしてこのちっちゃいおじちゃんがゴルドさんね!」

「ち、ちっちゃいおじさんって……」

「まぁまぁ、実際事実やししゃあないって」

「あはは! なんかルリルリのお母さんよりも面白いね!」


 皆、お互いに自己紹介をしたが、クロムは……。


「どうしたの? クロム」

「い、いや……俺……恥ずかしい」

「どうしたの? 突然」


 珍しいな、クロムが恥ずかしがってるなんて。


「だ、だってよ……こいつ、ピカピカすぎて……ギラギラなんだよ……眩しすぎて近づけない……」

「……」


 そっか、私にとって姉さんは家の中での太陽のような存在……クロムは私から生まれたようなもの、クロムの目にはそういう風に見えるのか。


「あら? 貴方、そういえば名前は?」

「え!? えーっと……」


 姉さんはクロムに近づき、名前を聞いてきた。

 クロムは体を隠そうと私の後ろに隠れるも、羽や角は隠しきれていなかった。


「恥ずかしがり屋さんなのね、別に襲ったりはしないからさ! お名前は?」

「俺……クロム」

「クロムちゃんね、よろしくね!」

「お、おう……」


 クロムは私を盾に手を伸ばし、姉さんと握手をした。


「と、ところで……姉さんたちを拘束してた奴は?」

「そ、そういえば……どこかに消えたね」


 ちょ、ちょっと……それってまずいんじゃない?


「な、なら早く探さないと……クロム!」

「おうよ!」


 クロムが咄嗟にキマイラの姿になり、私たちは腕輪にクロムの一部を翳した。

 そして……私たちは再び、探索者の姿になった。


「わぁ……す、すごいね」

「おお……かっこいい!」

「な、なんだ!?」


 姉さんを含む人質だった人達は、例によって驚いているようだ。

 ……もうなんか慣れたな。


「よし、それじゃあ……」


 外に出て、探そうとした……その時。


「おおおおおおおお!? な、なんや!?」

「きゅ、急に建物がバリ揺れて……」


 突然、建物が大きく揺れ始めた。

 その揺れは……まるで、ダンジョンが初めて出てきた……あの日のような揺れだった。


「いけない……建物……亀裂が……」

「まずいぞ! ここは外に出ねぇと!」

「……だね!」


 ここは四の五の言っている場合じゃない、早く外に出ないと!


「みんな! 大きくなるよ!」

「せやな! ここはそうするしかあらへん!」


 リン、ラピス、ゴルド、キセノンの4人はカードを腕輪に翳し、各々巨大な蜂、蝶、カブトムシ、コウモリに変身した。

 よし、私は道を作ってあげよう!

 私は刀を大きく振るい、窓ガラスを粉々にした。


『さぁみんな! 乗って!』

『はよせい!!』

『早くしねぇと崩れるぞ!』

『早く……時間……ない!』


 亀裂も大きくなってきたし。確かにもう時間は無さそうだ!

 こんなところ、早く脱出だ!


「姉さん、こっち! 子どもたちも!」

「え!? あ、そうだね!! みんな! 早く!!」


 私たちは各々4人の背中に乗り、全員が乗ったことを確認した後、羽を広げて飛び始めた。

 飛び始めたと同時に……市役所の建物は、跡形もなく崩れ去った。

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