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閑話 人質の様子

「ふん……サンルートの獣共も参戦してきたか……」


 市役所の最上階、ピクシスは僕たるモンスターを見下ろしつつ、戦況を見守っていた。


「まぁいい……こいつさえあれば、我々の勝ちは確実だ」


 ピクシスは海底から持ち出した腕輪とカードを観ながらそんなことを呟いた。

 それを机の上に置き、そのまま市役所の会議室へと向かった。

 会議室のドアを開けると……男女数十名が、手足を職種のようなもので縛られていた。

 人質の中には……児童複数名も含まれていた。


「よく聞け、大人しく我らの駒になるというのなら解放してやる……どうだ?」

「誰が乗るか!!」

「早く離せ!!」


 人質の男衆は、ピクシスの言葉に対し、強い言葉で反発した。


「わ、私たちをどうするつもり!? 言っておくけど……生徒に手を出したらただじゃおかないから!!」


 人質の一人……児童の担任の女教師がそんなことを叫んだ。

 ピクシスはその教師の元へ足早と向かい……教師の頬に目掛けて平手打ちをした。

 何かがはじけたような音が会議室に鳴り響き……会議室は静粛に包まれた。


「黙れ」

「くっ……」


 教師はピクシスの威圧に圧倒され、押し黙った。

 すると……その空間に耐えられなくなったのか、児童の一人が泣き出した。


「うわあああああん!! お母さああああああん!!」

「クソ……ガキが……黙れ!!」


 ピクシスは子ども相手でも容赦せず、暴行を続けた。


「やめて!!」

「あぁ?」


 ピクシスは子どもを離し、教師の首を掴んだ。


「よし、わかった……どうやら駒になるつもりはないらしいな……ならば塵になってもらおうか? まずは貴様から……」

「や、やめて!」

「先生!!」


 ピクシスが教師に手を掛けようとしたその時……ピクシスは何かの伝達が聞こえ、手を止めた。


「……なに? 入り口が突破された? ……わかった」


 ピクシスは教師から手を離し、足早に会議室を出た。


「けほ……けほ……」


 教師は咳き込みながら、その場で横になった。

 児童や他の人質たちは、そんな教師の様子をただ見ている事しかできなかった……。


(入口……突破? 誰かが助けに来る?)


 教師は助けを確信し……安心しきったのか、目を閉じた。


(これで……助かる……)

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