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第334話 占領者

『建物……周り……大変……』

『なんか……建物の周りにモンスターがバリ沢山いる……』


 降下しながら、キセノンとリンがそんなことを言った。

 どうやら目がいい2人には、たくさんのモンスターが見えているらしい……。


『どんな感じなの?』

『あ、待ってね! 目に意識集中させるから!』


 リンは目に意識集中させたのか、私にも地上の様子が見えた。

 こ、これは……なんか気持ちが悪い。

 私は集合体恐怖症というわけではないのだが、流石に鳥肌が立つ……。


『な、なぁ、もしかしてだが、あそこに人が取り残されてるんじゃねぇか?』

『あり得る話かもしれへんな、ちょっと不安になってきたわ……』


 確かに、あの大きな建物に取り残されている可能性も無くはない。

 あんまり考えたくはないけど……。


『……あれ? なんか……屋上に……人がいる……』

『え? あ、本当だ……』


 確かに、建物の屋上……誰かがいるような気がする。

 もしかして……助けを求めているんじゃ?

 そう思っていたのだが……。


『ちょ、ちょっと待って! その人……なんか魔力溜めてない!?』

『ほんまや……しかもあれ、さっきウチらが受けた攻撃とちゃうか!?』

『やべぇぞ! こっちを狙ってる!!』


 嘘……じゃあ、さっきの攻撃……この人が!?


『……あ! 俺、こいつ見覚えがある! こいつ……ラブカルドの奴だ!!』

『え!?』


 じゃ、じゃあ……こいつが……敵の親玉!?


『だけど……確か、こいつは親玉の近くに居た奴だ!』

『つまり、側近とか?』

『かも!!』


 つ、つまり……ラブカルドの刺客が市役所を占拠してるってこと!?

 そんなことを考えていると、その人物がこちらに目掛けて光の玉を放ってきた。


『あぶねぇ!!』


 すかさずクロムはその攻撃を避けた。

 なるほど……犬吠埼へ近づけさせない作戦かな?

 そんなことを考えていると、突然、頭の中から声がした。


『聞こえるか……探索者ども……』


 その声は、明らかに皆の声ではなかった。


『もしかして……』

『そうだ……私はラブカルド皇帝アルゴ様の忠実な僕……ピクシス……探索者共……貴様らに宣戦布告する……今この建物および町全体は我々の統治下だ……この街の住民は現在我々の捕虜だ……言いたい事は分かるよな?』

『まさか……人質?』

『その通り……今現在この建物にも複数人の人間どもを捕えている……生かすも殺すも我々の判断による……』

『なんて卑劣な……』


 もはや手段は選ばないってわけね。


『この建物の中にいる人間を救いたければ……私と勝負しろ……ただし、簡単には通させないがな……』


 ……そう言うと、市役所全体が……魔法陣に覆われ……建物が、西洋の神殿のように変貌していった。

 これは……ダンジョン?


『ここは、地上から行かないとまずそうだね』

『……だな! まぁもうすぐ地上だ! さっさと処理してピカピカを取り戻そうぜ!』


 クロムの言う通り……さっさと処理して、犬吠埼へ行かないとね。

 しばらく降下し……地上に着くと、私たちは合体を解除し、探索者の姿へと戻った。

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