表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
393/424

第332話 最後の占い

「……それじゃ、翡翠ちゃん、私たち……行くね」


 一旦変身を解除した私たちは、親衛隊の面々に事情を説明した。

 敵の拠点が犬吠埼付近にあること、そいつを倒せばこの騒ぎが治まること……。

 その話をすると、翡翠ちゃんは大泣きした「行かないで」「死んじゃ嫌だ」とか言って。

 でも、碧ちゃんたちが「アナザーワールズなら大丈夫」と言ってくれたおかげで、納得してくれた。


「ねぇ……るり姉」

「何?」


 翡翠ちゃんは、何か言いたげな表情で私を見た。

 私は翡翠ちゃんと目線を合わせ、彼女の手を握った。


「るり姉、私……信じてるから……だから、必ず戻って来てね!」

「うん! 絶対に戻るから……」

「や、約束だよ!!」

「うおお!?」


 翡翠ちゃんは感極まったのか、私に抱き着いてきた。

 突然の事だったが、私は咄嗟に翡翠ちゃんを抱えた。


「ノン姉ちゃん! 絶対勝ってね!」

「うん……必ず……戻る……戻ったら……一緒に……空手……修行しよう」

「うん!」

「おじちゃんも頑張ってね!」

「おうよ! お前も体には気を付けるんだぞ!」

「ラピスさん、この辺りは僕たちに任せてください」

「瑠璃さんたちもいるから大丈夫だとは思うけど……ラピスさん、必ず帰って来てね!」

「そない心配せんでも大丈夫やって」


 周りを見ると、各々激励の言葉を投げ合っていた。


「り、りりりりりりり、リンさん! い、いいいいいいいい、行く前に占いを……」

「お? 占い見せてくれるの? みんな! ミドミドが占いやってくれるって!」


 おお、行く前に占ってくれるんだ、慧ちゃんの占いはよく当たるから参考にしよう。

 慧ちゃんは早速、タロットカードをシャッフルし、カードを一枚撮った。


「……塔、ここここ、これは嫌な予感」

「それってどういう意味なの? ミドミド」

「こ、ここここ、これは、予想もしなかったことが起きる意味のカードです……だから、向かう途中に、予想もしない強敵が現れる可能性がありかも……」

「予想もしない強敵か……」


 そう言われると、ちょっと警戒しないとね。


「あ、ままままま、待ってください! もう1枚引きますね! えーっと……」


 そう言うと、慧ちゃんは今一度シャッフルし、もう1枚取り出した。


「し、死神です……」

「そ、それって……」


 確か、何かが突然終わる……って意味だっけ。

 確かにあの後、クロムに襲われて、紆余曲折あって仲間になって……ある意味では終わったように見えるけど……」


「い、いや! 今回は逆位置なので、いい意味です!」

「いい意味?」

「は、はい! これは……予想以上に上手く行く……とか、そういう意味です!」

「おおお!!」


 リンは慧ちゃんの言葉を聞くと、彼女を思いきり抱き締めた。


「り、りりりりりり、リンさん!?」

「ありがとう! ミドミド! 少しやる気出てきたかも! みんなもそう思うよね?」


 確かに、なんかやる気が湧いてきたかも。

 強敵が現れるかもしれないけど、予想以上に上手く行く……か。


「ありがとう慧ちゃん、私たち、頑張るね!」

「は、ははははは、はい! お、お気を付けて!」

「それじゃ、みんな……後は頼んだよ!」


 親衛隊の面々に声を掛け、私たちは再びイセカイザーとなり、犬吠埼へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ