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第39話 一緒に風呂

「琥珀はん、申し訳ないんやけど、風呂貸してくれまへんか? ウチ汗がぎょーさん出てもうて……」

「いいよ、遠慮しなくて。じゃんじゃん入りなさい」

「ありがとうございます」


 ラピスって風呂が好きなのかな? なんかさっきも風呂を貸してほしいって言ってたけど。


「ラピラピ! 私も入る! ノンノンとルリルリも一緒に入ろ!」

「えぇ!? 私も!?」


 一緒に風呂!? っていうか風呂場そんなに広くなくない!?


「いいじゃん! 皆で入った方が楽しいよ! ノンノンもそう思うよね!」

「……うん……皆で……入る……お風呂……楽しい……」


 なんでキセノンは笑顔なの!? 異世界だとみんなで入るのが普通なの!?


「あら、いいわねぇ。瑠璃ちゃん、一緒に入りなさい。そっちの方が節約にもなるだろうし」

「叔母さん……」


 叔母さんが同意してしまった。

 ……仕方がない。


「じゃ、じゃあ行こうか……」

「うん! 皆で入るのバリ楽しみ!」

「でも、ここのお風呂場、そんなに広くないよ?」

「広さなんて関係ないよ! さぁ、早く早く!」


リンに押されて、私は風呂場へと半ば強引に連行された。



「なるほど……ここが日本のお風呂なんやな」

「……どう? 狭いでしょ?」

「いやいや、家に風呂があるだけでも十分や」


 ラピスは風呂場についての感想を述べる。

 うん、分かってはいたけど、ラピスの体格……まるでモデルさんみたいだ。


「ルリルリ、意外といい体してるね」

「え?」


 リンが突然、私の体について言ってきた。

 た、確かにリンやキセノンよりかは……胸部が発達してるのかな?

 すると突然、腹部から何かを感じた。


「ひゃ!? 何!?」

「……瑠璃ちゃん……やっぱり……修行が……足りない」

「修行って何!?」

「修行は……修行。もっと……鍛えたほうが……いい」


 キセノンが私の腹部を触って筋肉を確かめているようだった。

 キセノンは若干ながら、筋肉が発達しているように見えた。

 身長や見た目からは全く予想がつかなかったが……。


「まぁまぁ、はよう入りましょうや」

「うん!」

「……と、まずはかけ湯せんとな」


 ラピスはタライを手に取り、湯船の水を掬おうとした。


「ちょっと待ってラピス、そんなことしなくてもシャワーを使えば大丈夫だから」

「シャワー? 初めて聞くなぁ、なんなんやそれは」

「これのこと」


 私は蛇口をひねり、蛇から雨のような水を出した。


「おおおおおお!? それがシャワー!? バリすごいね!」

「ほんまやなぁ、よう考え着いたなぁ」


 リンとラピスはシャワーに驚愕している。


「シャワー……興味深い……かも」


 キセノンはシャワーの原理が気になるようだ。

 なんだろう、私が作ったわけじゃないのに、偉くなったような感覚になる。

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