第327話 激励
「るり姉!!」
「ノン姉ちゃん!」
「おじちゃん!」
しばらくすると、翡翠ちゃん、碧ちゃん、銀次くんの3人が、学校の中から飛び出してきた。
3人は親衛隊の携帯電話を握りしめ、既に準備万端だった。
「3人とも、準備は大丈夫みたいだね」
「うん! モンスターなんか怖くないよ!」
「ノン姉ちゃんやみんなと戦えるだけでも嬉しいよ!」
「僕の足、もう完全に治ったみたいなもんだし、大丈夫さ!」
3人は各々意気込みを語った。
これだけやる気が満ち溢れているのならきっと余裕だろう……多分。
「翡翠ちゃん、一緒に頑張ろうね」
「うん! 頑張る!」
「銀次、お前本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫さ! おじちゃん、足引っ張らないようにね!」
「おお? 言うようになったじゃねぇか、その調子だぞ」
「碧ちゃん……一緒に……頑張ろう」
「うん! 私頑張るね!」
「ふふふ……碧ちゃんがいれば……百人力……だね」
私たちは、再会を分かち合い、お互いに激励し合った。
「そういえば、ミドミドはいないの?」
……確かに、リンの言う通り、慧ちゃんの姿が見えない。
「あ、みどりちゃんね、今ムンファイの2人もつれてくる! とか言ってて……あっ! 来た!」
翡翠ちゃんが指を差した方向……そこには、慧ちゃんとムンファイの2人……美月ちゃんと蛍ちゃんも走ってきた。
「お、おおおお、遅くなってすみません!」
「ラピスさーん!」
「瑠璃さーん! 来たよー!」
この3人も携帯電話を握りしめていて、準備万端という様子だった。
「ミドミド! 来てくれてありがとー!! バリ嬉しいよ!」
「り、りりりりりり、リンさん!? 急にだだだだだだ、抱きしめないでくださいよ!」
「えへへ~」
リンは再会を喜ぶかのように、慧ちゃんを抱きしめた。
うーん……やっぱりなんか複雑な気持ち、応援に来てくれたのは嬉しいけど。
「瑠璃さん! モンスターがここに来てるって本当なんですか?」
「うん……蛍ちゃん、戦える?」
「もちろん! でも……キモい敵が来たらどうしよう……」
「大丈夫だよ、蛍ちゃんは強いし、私もいるから」
「そ、そうですよね! 頑張ります!」
蛍ちゃんはやる気を露わにするように、拳を握りしめた。
「美月はん、行けるかいな?」
「もちろんです! ここを守って見せます! ラピスさんにも目にもの見せてあげますよ!」
「それは期待しとるで!」
……と、そろそろ来るかもしれない。
「みんな! 準備して!」
親衛隊のメンバーは私の号令に返事をして、携帯電話を操作し始めた。




