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第38話 字の意味と相部屋

「おおおおお!! ここがルリルリの家!?」

「なんか、ええ雰囲気やなぁ」


 到着するや否や、リンとラピスはそれっぽい感想を述べた。


「なぁ、瑠璃。これなんて読むんだ?」


 ゴルドは駄菓子屋の屋号が書かれてる看板を指さしてそう言った。

 読めないってことは、まさか……。


「サンルート語と字が違う?」

「あぁ、そうみたいだな。で、なんて読むんだ?」

「『いかいや』って読むの。猪飼……叔母さんの店だから『いかいや』」

「なるほど……琥珀さんのお店か」


 ……ゴルドがニヤニヤしながら看板を見つめている。

 うん、きっと妄想に耽っているのだろう。


「瑠璃ちゃん……お店って……何を……売ってるの?」


 キセノンがゴルドに続いて質問をする。

 そっか、屋号だけじゃ何を売っているのかわからないよね。


「お菓子だよ、主に子ども向けの」

「子ども向けの……お菓子?」

「うん、10円……って言ってもわからないか、まぁ、小さいお金が買えるようなお菓子を売ってるんだよ」

「大体……わかった……かも……私……お菓子……好き……」


 へぇ、キセノンってお菓子が好きなのか。

 異世界のお菓子ってどういうのなんだろう? そんなことを考えながら、私は店の扉を開けた。


「ただいま! 叔母さん!」


 私が帰宅の合図を言うと、上から足音が近づいてきて、叔母さんが優しい表情で出迎えてきた。


「瑠璃ちゃん、それにお友達の皆、おかえりなさい」

「いえいえ、お世話になります、琥珀さん」


 ゴルドは紳士的に頭を下げた。

 叔母さんは……特に気にも留めなかった。


「ハクハク! 今日からバリよろしく!」

「しばらくの間、よろしゅうお願いします」

「よろしく……お願い……します……」

「よろしくね、えーっと、リンちゃんとラピスちゃんとキセノンちゃんは、ちょっと狭いかもしれないけど、瑠璃ちゃんの部屋に泊まってね」

「やったぁ! ルリルリと相部屋だぁ!」


 ……私と相部屋がそんなに嬉しいの? いや、私も異世界のこと知れそうだから嬉しいけど。


「ゴルドは……私の隣の部屋がちょうど空いてるから、使ってね」

「はい! ありがとうございます!」


 ゴルドは元気よく返事をした。

 心なしか、叔母さんの隣の部屋で嬉しそう。

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