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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
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第308話 ピカピカを食べる

「私たちの……その、貴方が言う『ピカピカ』を増大させるのは?」

「お前らの……ピカピカ?」

「そうそう!」


 そうだ、憎しみを食べることができるのなら、嬉しさとか悲しさとか……色んな感情を食べることができるかもしれない。

 私はそう考えた。


「なるほど……ピカピカ……吸収……良い考え……」

「うーん、でも、お前らのピカピカ、よくわからない……」

「じゃあ……私……教えてあげる……待ってて」


 そう言うと、キセノンは立ち上がり、地下室へと向かった。

 それから間もなく、キセノンは私が昔使っていた教科書を持ってきた。


「私の……ピカピカ……修行」

「修行?」

「うん……体……鍛えたり……学問……学んで……強くなる……それが……私の……ピカピカ」

「強くなる……いいかも!」


 なるほど、みんなのピカピカを見せたら、クロムも理解するかもしれない。


「ワシはのピカピカは当然、ここにいらっしゃる琥珀さんだ、琥珀さんはガキからも慕われていて、尚且つとても美しくて優しい……他にも……」


 ゴルドはクロムに向かって力説するも、当のクロムはよくわかっていない様子だった。


「ちょ、ちょっとゴルド……やめないかい、恥ずかしい」

「あ、す、すみません……」


 叔母さんに止められ、ゴルドは語るのをやめた。

 それを見たクロムは……クスクスと笑い始めた。


「あはは! そうか! それがピカピカなんだな! 面白い!」

「お、面白い?」

「ああ! お前面白いな! ゴルド!」

「お、おう……」


 多分、クロムはゴルドの「ピカピカ」について理解はしていないと思う……でも、それがゴルドにとって大事な事なのであることは理解したようだ。


「なぁなぁ、お前は?」

「う、ウチ? せやなぁ……やっぱり……舞う事やろか?」

「見せて見せて!」

「え、ええけど……なんか扇子の代わり……あった!」


 ラピスは床に落ちていた団扇を手に持ち、それとなく踊って見せた。

 おお……相変わらず美しいね、ラピスの踊りは。


「ど、どないや?」

「おお……すげぇ! ピカピカしてるぞ!!」

「お、おおきに……」


 クロムは拍手の代わりに、ラピスの体を大きく揺さぶった。


「すごいな! お前らのピカピカ……俺、もっともーーーーーっと知りたいぞ! すごく気に入った!!」


 クロムは歓喜のあまり、その場で飛び跳ねた。

 どうやら、私たちにとってのピカピカは、クロムにとってはとても素晴らしい事だったようだ。

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