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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
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第304話 ピカピカを求め、地上へ

「ねぇ……ロムロム」

「ロムロム? 俺の事か?」

「うん……貴方は、他にも……その……ピカピカを経験したい?」

「あぁ! 外にはもっとピカピカがあるのか!?」

「も、もちろん! それで……その……ルリルリのお母さんについては……どう思ってる?」


 ちょ、ちょっとリン! その質問はちょっとまずいんじゃないの!?

 ……最初はそう思ったのだが、クロムの表情は……どこかよくわかっていないようだった。


「うーん……確かに、憎い……でも……このピカピカと比べたら……どうでもいいって感じ? なぁ、それよりも外にはどんなピカピカがあるんだ!? 教えてくれよ!」


 クロムは母さんよりも「ピカピカ」の方が気になるらしい。

 ……もはやこんな檻に閉じ込めるのが可哀そうになってきた。

 私は徐に腕輪を操作し、カードを翳した。


『転生! 天下御免の探索者! ヒューマンシーカー!!』


 ヒューマンシーカーへと変身した私は、その流れで刀を引き抜いた。


「クロム、下がって」

「お、おう!」


 私は檻に目掛けて刀を振った。

 すると、檻に切り目が付き……鉄格子は、砂糖菓子のように崩れていった。

 檻が壊れたことを確認した私は、変身を解除し、クロムに手を差し伸べた。


「それじゃ、おいで……ピカピカ、見せてあげるから」

「やったぁ! 行く行く!」


 先程までのかわいげのない様子はどこへやら、クロムは、見た目相応の少女の様にしか見えなかった。


「なぁなぁ! リンも! 手つないで!」

「え? う、うん!」


 リンはクロムのもう片方の手を掴んだ。

 するとクロムは、ツタのように私たちの腕を絡ませ、磁石のように引っ付かせた。


「ちょ、ちょっとクロム?」

「えへへ……お前ら……暖かい……これもピカピカなのか?」

「ま、まぁ……そうなのかな?」


 クロムの体温は……全くと言っていいほど感じなかった。

 まるで真冬の鋼鉄のように冷たく、彼女が魔道具であることを再認識させた。


「なぁなぁ、上に行けばピカピカがあるんだよな?」

「う、うん……」

「じゃあ早く行こうぜ! しゅっぱーつ!」


 クロムは私っ体を引っ張り、地下室へと駆けあがった。

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