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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
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第302話 ピカピカ

『……かくして、ジョッカー電撃隊の活躍により、犯罪組織クライマーの野望は打ち破られた、しかし、ジョッカー電撃隊は止まらない……』


 あっという間に、特撮は最終回を迎えた。

 ふとクロムの姿を見てみると……うっすらと涙を浮かべていた。


「なんだ……これ……胸の中が……じゅわーってなったのに、終わると……しゅわーって……」


 ……クロムは今の気持ちを述べているようだ……要約すると、面白かったけど、最終回を見ると悲しくなる……という事なのだろうか?


「クロム、それが楽しいって気持ちと、悲しいって気持ちなんだよ」

「楽しい……悲しい……俺……わかんないよ……あれ?」


 クロムは目から涙を小雨の如く流し始めた。

 クロムは掌に落ちた涙を……驚きの表情で見ていた。


「なんだ……これ……」

「クロム、それは涙……悲しいって気持ちとか嬉しいって気持ちが高ぶると流れるものだよ」

「涙……」


 クロムは状況を理解していないようだった。

 もうちょっと詳しく説明した方がいいかな?


「それを流したってことは……その気持ちがクロムにもあるってことだよ、だって……貴方は私なんでしょ?」

「涙……気持ち……これが?」


 クロムは私の説明を聞くと……何かを悟ったかのように口角を上げた。


「そうか……これが……楽しいと悲しい……なんか……ピカピカだな!」

「ピカピカ?」

「あぁ……ピカピカだ! なぁ瑠璃、楽しいと悲しいってピカピカなんだな!」

「いや、悲しいについては状況に寄りけりだと思うけど……」

「そうなのか? でも……なんかいいかも! 俺、気に入った!」


 クロムは涙を流しつつも、満面の笑みを浮かべた。


「なぁ瑠璃、俺……もっとこのピカピカが知りたいぞ! 憎しみよりも、ピカピカが欲しい!」


 クロムの笑顔に嘘は無いように見えた。


「ね、ねぇルリルリ……この子、バリ本気で言ってる?」

「私はそうだと思うけど?」

「根拠はあるの?」

「いや、それは……」


 今協があるのかと言われると……実際のところ、無い。

 でも、なんとなくわかるのだ、彼女が嘘を言っていないという事を。

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