表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
361/424

第301話 そんなの違う

「……違う……そんなの、バリ違うよ!!」


 突然、リンの怒号が地下室に響き渡った。


「な、なんだぁ?」


 クロムはリンの怒号に驚いたのか、呆気狩らんとした表情になった。

 かくいう私も、驚きのあまりそんな表情になってしまった。


「ルリルリは……そんな風に簡単に人を傷つけることしないもん!!」

「……」

「ルリルリは……『私』に言ってくれた……『嫌になることは沢山あるけど、それでも自分や自分の同族を嫌いになるのは違う』って……だからルリルリは、自分のお母さんを殺めたいとか、そんな風に考えるわけない!!」

「……ど、どうかなぁ? さっきも言ったがオレは……」

「違うったら違うの!! お前はルリルリなんかじゃない!! ルリルリを知ったがぶりしてるだけだよ!!」


 リンはクロムに億劫になることなく、私の壁になりながら、大声でクロムに立ち向かっていた。

 ……私は……クロムじゃない、リンはそう言ってくれている……。

 そうだ、こいつは私の憎しみしか覚えていない、確かに私は母さんを憎んでいるのかもしれない、でも、それは私の全てじゃない。

 私は……そのことをすっかり忘れていた。


「……クロム、貴方は私の憎しみを吸収したって言ったよね?」

「あぁ、だからオレはお前……」

「……それは違うね、人間は憎しみだけで生きているわけじゃない、楽しい事、悲しい事、憎たらしい事……色んなことを経験するものだよ、クロムはその中で憎しみしか覚えていない」

「……」


 私の言葉に、クロムは黙り込んでしまった。


「……じゃあ、お前の事、もっと教えてくれよ」

「わかった、何を知りたいの?」

「……お前があの女に何かされたとき、何をやっていたのか」

「……わかった、ちょっと待って」


 私は地下室のテレビを動かし、画面を檻の方に向けた。

 ビデオを起動させ、私はキセノンが復元した古い特撮のビデオを入れた。


「……これはなんだ?」

「そうだねぇ……さっき言った、『楽しい事』かな?」

「……楽しい事か」


 クロムは興味を持ち始めたのか檻に手を掛け、画面に注目し始めた。

 私とリンは檻に背中を合わせ、画面に注目した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ