表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!
358/424

第298話 檻の中の少女

「……この中にいるのか」


 いつも見ている地下室なのに、今日は扉がやけに険しく感じる。


「じゃあ……一緒に開けよう」

「うん!」


 私たちは地下室の扉を一緒に開けた。

 地下室の電気は、キセノンたちがそのままにしていたのか、既に階段を照らしていた。


「この下に……」


怖い……手が震える。

もしかすると……ここで死ぬかもしれない、そう考えると……。


「ルリルリ」


 ……すると、リンが私を安心させるためか……抱き着いてきた。


「……キスしよ、ルリルリ」

「は、はぁ!?」


 リンの唐突な提案に、私は驚愕の声を上げた。


「な、なに突然!?」

「……ルリルリ、バリ怖がってるから」

「そ、それとこれと何の関係が……」

「キスすると安心するって言うでしょ? だから……」


 ……リンの表情は真剣だった。

 もう……。


「わ、わかったよ……」

「うん……」


 私たちは、お互いに顔を近づけ……唇を重ね合わせた。


「ん……」

「んん……」


 唇越しに、リンの体温が分かった。

 リンの抱きしめる力が強くなり、私もリンの体を包み込んだ。

 しばらく唇を繋げた私たちは、決心を抱き、離れた。


「……じゃ、行こうか」

「……うん」


 私たちは、腕を組みながら、地下室の階段に足を掛けた。

 ……地下室へと下がっていく中、ずっと呻き声が聞こえていた。

 その声は……どこか、少女のように聞こえた。


「この下に……私を暴走させた存在が……」


 ついに地下室の床に足を踏み入れ……中を見た。

 そこにいたのは……。


「……え?」


 降りの中の閉じ込められている……女の子がいた。


「やい! ここから出しやがれ!! あの女をぶっ殺してやる!!」


 女の子は私たちを見るなり、折を揺らしてそんなことを叫んだ。

 女の子は背中を覆いつくすほどの黒髪のロングヘア、そして褐色肌が特徴的だったが……全身に毛皮のような服を身に纏い、背中にはワイバーンのような羽、ラピスにも生えている牛みたいな角、そして虎のような獣の耳が頭から生えていた。


 ……あれ? この子……どこかで……。


『逃げなくてもいい……オレを受け入れろよ』


 ……そうだ、この子……確か……夢の中で……。


「あ、貴方は……?」


 私は動揺しつつも、名前を聞き出した。


「……オレか?」

「う、うん……貴方に聞いてる」


 私は怖がりつつも……女の子に聞いてみた。

 すると女の子は、檻を揺らすのをやめ、その場で胡坐をかいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ