第294話 宣戦布告
「なんやろ、なんか騒がしいなぁ」
「うん……なんか……大慌て……」
異世界人たちも、その様子が普通ではないことが分かった。
アナウンサーは原稿を整え、それを読み上げた。
『そ、速報です! さ、先程、ぼ、防衛省より……い、茨城県神栖市及び千葉県銚子市が……『海底帝国ラブカルド』を名乗る集団により、占領されたとの情報が入りました! げ、現在両市内の様子は、全くもって把握できておりません!』
「な、なんだい!? せ、占領って……」
琥珀は、ニュースではまず聞かないであろう「占領」という言葉に驚愕の声を上げた。
……一方で異世界人たちは、別の言葉に注目した。
「「「海底帝国ラブカルド!?」」」
「これは……どういう……こと?」
「ど、どうしたんだい、みんな……」
琥珀は、今まで見たことない同居人たちの姿に、さらに驚きの声を上げた。
「しょ、諸君、どうかしたのか!?」
「な、何かあったんですか!?」
「ダイダイ! リスリス! これ見て!!」
リンはテレビを指差し、何が起きたかを解説した。
ニュースを聞いた2人も……リン達と同様に驚愕の声を上げた。
「そんな……馬鹿な……」
「ありえない……あれはもう消えたはずでは?」
いかいやの居間の中では、アナウンサーの声だけが響いていた。
『く、繰り返しお伝えいたします、防衛しょ……』
アナウンサーが速報を伝える中、映像に砂嵐が入った。
「な、なに!? どうしたの?」
「琥珀ちゃん……故障?」
「いや、そんなことは……」
しばらくして、砂嵐が晴れ……暗闇を背景に、耳からヒレの生えた人物が現れた……。
『地球上の生命体に告ぐ……我々は異世界の民、海底帝国ラブカルド……我々が引き起こした地震……そして奇怪な塔……ダンジョンの味はどうだったかな?』
砂嵐交じりに、映像の中の人物は言葉を続けた。
『……ただいまより我々は、日本国に宣戦布告する……我々はたった今、日本国の街の一部を占領した……我々はこれから……日本国の首都に向けて進軍を開始する……それと同時に……ハワイ島、グアム島をはじめとするアメリカ合衆国に属する島々……フィリピン共和国……フィジー共和国……ツバル……クック諸島……ニウエに向けて進軍を開始する……我々の目的は……世界を統一させること……全ての生命体よ……恨むのなら……異世界の民を呪え……』
いかいやにいた異世界人一行は、ただ黙ってそれを聞くことしかできなかった。
「ね、ねぇゴルド! リンちゃん! 一体何が何なのか説明してちょうだい!!」
琥珀の声に、一行は一度冷静になった。




