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第292話 猛獣を鎮静

「ねぇ! 瑠璃姉ちゃん、なんか苦しそうじゃない?」


 瑠璃の呻き声が段々と弱弱しくなっていき、脚の筋肉も弱まってきたのか、その場に倒れそうだった。

 やがて、キマイラが小さくなっていき……瑠璃とキマイラは、2つに分かれた。

 瑠璃の体は自由落下していき、今にも地面に叩きつけられそうになっていた。


「……危ない!!」


 キセノンは己の翼を広げ、瑠璃の下へと飛び立った。

 両手で類の体を抱え、キセノンは一行の元へと戻ってきた。


「そんな……るり姉、死んじゃったの?」

「大丈夫……息は……ある……早く……運ばないと……」


 瑠璃はかろうじて生きていたが、既に虫の息であった。


「は、早く手当てしないとまずいじゃないかい! ど、どうすればいいんだい!?」

「せ、せやな、ま、まずは魔石を破壊せんと……この近くにあると思うからはようせんとな!」


 一行が魔石に急行しようとしたその時、全員の端末から着信が入った。

着信の主は、ダイヤだった。


『諸君! ダンジョンの魔石は余とアリス殿が発見した! これから破壊するから安全地帯に戻ってくれたまえ!』

「ダイダイ! ありがとう!」


 ダイヤの連絡を聞いた一行は、瑠璃の心配をしつつ、安全地帯へと戻ろうとした……その時。


「グオオオオオオオ!!」


 小さくなったキマイラが、一向に襲い掛かってきたのだ。


「させないよ!!」


 それにいち早く気付いた琥珀は、双刃刀でキマイラを切り裂いた。

 キマイラの体は切断はされなかったものの、それが致命傷となり、地面に叩きつけられて動かなくなった。


「うん……動いてない……琥珀ちゃん……ありがとう」


 キマイラが行動不能になったのを確認し、キセノンはそれの首を掴んだ。


「みんなの為さ、それより、それはどうするんだい?」

「うん……魔法で……拘束して……持ち帰る」

「えぇ!? ノン姉ちゃん、大丈夫なの!?」

「どっちみち……こいつは……瑠璃ちゃんを……襲う……なら……徹底的に……解析して……対策……練る……ラピスちゃん……瑠璃ちゃん……お願い」


 キセノンは瑠璃の体をラピスに託し、キマイラを光の鎖で覆った後、インベントリオープンを唱え、鳥かごのような折を取り出した。


「これで……よし」

「ほな、はよう安全地帯へ行こうや、瑠璃はんを回復せんと」


 一行は、瑠璃の心配をしつつ、安全地帯へと戻った。

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