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第291話 猛獣の力

「あ、あれが……るり姉? ど、どうなってるの? 意味が分からないよ!!」

「ヒスヒス! 落ち着いて、大丈夫だから……」


 翡翠は恐怖のあまり、涙と震えが止まらなかった。

 リンはそれを宥めるように、翡翠を抱きしめた。

 キマイラとなった瑠璃は、そのまま恐竜に襲い掛かる。

 恐竜もそれに気づいたのか、瑠璃に目掛けて突進を開始する。

 その姿はまるで、動物の縄張り争いのようだった。


「なんだい……瑠璃ちゃん、あんなのと戦ってる?」

「そ、そそそそそそそ、それに、瑠璃さん……かなり強くないですか!?」


 戦況は、瑠璃の方が上であった。

 キマイラとなった瑠璃は牙を立て、恐竜に噛みついたり、口から炎を吐いて恐竜を溶かそうとしたり。

 恐竜は戦況が不利だと判断し、背を向けようとしたが……瑠璃はそれを見逃さなかった。

 瑠璃は恐竜の尻尾に噛みつき、それを引き裂いた。

 恐竜は悶絶し、その場に倒れ込んだ。


「ルリルリ、強い……でも、これ……」


 一行は、ただ上を見上げることしかできなかった。

 瑠璃は倒れた恐竜に向かい、トドメの一撃として、体に噛みつき、その状態で恐竜の体を左右に振った。

 その姿はまるで、獲物を捕食する猛獣のようだった。

 やがて恐竜は力尽き……巨大な黒煙となって消えた。


「グオオオオオオオオオオ!! グオオオオオオオオオ!!」


 獲物を仕留めた瑠璃は、次なる獲物を求めているのか、咆哮を上げ、暴走を始めた。


「ま、まずいぞ! 瑠璃を止めなきゃ……」

「で、ででででででで、でも! ど、どうすれば……」


 巨大なキマイラである瑠璃を止められるものは、この場にはいなかった。


「仕方がない……ここは……私が……魔法で……」

「ま、待ってよノンノン! 今のルリルリを止めたとしても、ノンノンが……」

「このままじゃ……ダンジョン……解放……できない」

「だけど! それでノンノンがダメになったら意味ないよ!!」

「止めないで……リンちゃん……」

「止めるよ!!」


 キセノンは自らの身を犠牲にして、瑠璃を止めようとした。

 リンはそれがどれだけ危険な事か分かっていた。

 必死に止めようとするも、キセノンは止まらなかった。

 一行がどうにかしようと模索する中、瑠璃に異変が起きた。

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