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第290話 猛獣、巨大化

「いた!」

「あそこにいたか!」


 瑠璃を追いかけ、外に出た一行は、ようやっと追いついた。


「るり姉……何か……苦しんでる?」

「な、ななななななななな、何がどうなっているのやら……」

「みんな! バリ危なくなったら、ちゃんと武器を構えるんだよ!」


 親衛隊の面々は万が一に備え、鎧に身に纏っていた。

 しかし、暴走する瑠璃がリーパー達を倒していったのか、辺りに敵は見当たらなかった。


「あれ? るり姉ちゃんが動き出したよ!」

「本当だ……みんな……行こう!」


 瑠璃は獲物を見つけたのか、再び奥へと走り出した。

 一行もそれを追いかけるも、瑠璃の足はいつもよりも早く、まるでサバンナで獲物を追いかけているようだった。


「はぁ……はぁ……るり姉、早い……」

「翡翠ちゃん、こっち!」


 走り疲れた翡翠を見て、リンはすかさず、翡翠を背中に背負った。


「碧ちゃん……大丈夫?」

「アタシは大丈夫! それよりも早く終わないと……」


 目的地が定まらない中、一行は猛獣を追いかけ続けた。

 そして、彼女の目的地は……着いた瞬間にわかった。


「あ、あれはなんだい?」

「琥珀さん、あれは……このダンジョンのダンジョンボス、いわば親玉みたいなもんですよ」

「そ、そういえば病院の時にも大きな怪物がいたけど……それと同じやつかい?」

「それと同じです! 瑠璃の奴……一体どうするつもりなんだ?」


 瑠璃の目的地……それはダンジョンボスがいる場所であった。

 一行の目と鼻の先では、博物館の恐竜の化石をそのまま動かしたかのような怪物が方向を上げながら歩いていた。


「瑠璃の奴、どうするつもりだ?」

「多分……瑠璃ちゃん……あれと……戦う……つもりなのかも」

「えぇ!? 瑠璃姉ちゃん、あんな奴と戦うの!?」

「む、むむむむむむ、無茶じゃないですか!?」


 瑠璃の視線は恐竜の怪物に定められていて、端から見ても目標がそれであることは明確だった。

 瑠璃は狙いを定めると……突然、胸を抑え、苦しみだした。


「る、るり姉?」

「なんか……バリ苦しんでる?」


 瑠璃は唸り声をあげ……しばらくすると、それが解放されたかのように、両手を広げた。


「グオオオオオオオオ!!」


 瑠璃は猛獣のような雄叫びを上げると……またも体が変化した。

 全身に暗闇が覆い、手足からは鋭い爪、背中からは爬虫類のような羽が生え、頭からは角と獣の耳が生え始めた。


「あ、ありゃ……瑠璃を襲った怪物じゃねぇか!?」

「そ、それに、体もどんどん大きくなっていないかい!?」


 瑠璃は……さきほど自身を襲った怪物……キマイラに姿を変えたのだった。

 しかも、先程襲った手のひらサイズではなく……それとはけた違いに巨大であった。

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