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第289話 瑠璃の視点

 見えない……ここはどこだ……。

 辺りは暗闇、まるで暗い部屋に閉じ込められた気分だ……。

 暗い部屋……。


『痛っ! 痛いよ母さん!』

『瑠璃! なんて点数を取ってるの!? そんな子はお仕置きです!!』

『離して!!』


 嫌な記憶がよみがえる。

 母に腕輪掴まれ、どこかへ連れていかれる記憶が。

 行き先は分かっていた……。


『……ここで反省していなさい!!』


 連行先……そこは暗闇の部屋。

 私は扉を必死に叩いた。


『母さん! お願いだから出して!! 次は100点取るから!!』


 私は必死に訴えた。

 こんなところにいてしまったら、死んでしまう……そう考えた。


『お願い……出して……


 大声を出し、扉を叩くのに疲れた私は、その場に座り込んだ。

 暗闇でよくわからなかったが、目から熱い液体を吹き出し、息も絶えた絵になっているのが分かった。


『もしも……ここが……異世界の入り口だったら……ここから……異世界に行けたら……』


 暗闇の中で、私は妄想に耽った。

 もしもこれが、異世界小説だったら、私は力を得て、あんな奴なんか捻り潰せるのに。


『もしも……力を手に入れたら……変身して……その力で……』


 そうだ、もしも異世界に行ったら、私は力を手に入れる。

 変身して、違う私になる。

 そして見返してやるんだ、あいつらを。

 私を認めようとしない、否定する奴らを。

 あぁ憎い……奴らが憎い。

 今の私は前とは違う……私には力があるんだ。

 そうだ、私には武器があるんだ、こいつで奴を切り刻んでやる。


『瑠璃! そんなんだから、学年で2位なんて成績取るのよ!!』


 うるさい……黙れ!!

 私は奴を切り裂いた、でも無傷だ。

 どういうことだ? よくわからない。

 よくわからないけど、憎いから切ってしまおう。

 もう一度切った、切れない。

 なんでだろう? よくわからない。


 切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷。

 なんで消えないんだ、鬱陶しい、消えてしまえ。


 切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷、切り刻んだ、無傷。


 あぁ鬱陶しい、私は鬱陶しいのが嫌いだ、理由は複数存在するが今はどうだっていい、こんなところに閉じ込めた、憎い、私を認めない、憎い、目障り、来るな、近寄るな。


 振った、切り刻んだ、傷がついていない、複数いる、切っても切っても、復活する。


 あぁ、面倒だ、消える前でやってやる、早く暗闇から抜け出したいんだよ私は、理解できる? できるわけがない、だって理解しようとしないんだもの。


無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷無傷


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