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第287話 憎い

「ぐわあああああああああ!! く、苦しい……」


 猛獣が瑠璃の腕輪に嚙みつき、苦しみだした。


「瑠璃ちゃん!」

「るり姉!!」


 琥珀と翡翠は、苦しむ瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は苦しみのあまり、その声が聞こえなかった。


『ジグザク……猛獣ロード……キマイラ……シーカー!!』


 腕輪から、そんな不気味な音声が流れ、瑠璃はの体は暗闇に包まれた。

 暗闇が辺りを覆い、安全地帯にいた面々は、辺りが見えなくなっていた。


「るり姉……どこ?」

「瑠璃ちゃん! 大丈夫かい!?」

「ルリルリ!」

「瑠璃はん!」

「瑠璃!」

「瑠璃……ちゃん!」


 探索者たちは、瑠璃の叫ぶも、応答はなかった。

 しかし、彼女の姿は、すぐに拝むことができた。

 暗闇が晴れ、瑠璃の姿が露わになるも……その姿は、先程までの姿とはまるで違っていた。


「る……瑠璃さん……」

「なんだ……あの姿……」

「あれが……瑠璃殿?」

「まるで……猛獣みたいです」


 瑠璃は、探索者の赤き鎧に、動物の毛皮を巻き付けたかのような姿をしていた。

 顔を隠すマスクも、イノシシのような牙と獲物を狙うかのような鋭い目をしていた。


「……憎い」


 猛獣と化した瑠璃は、ただ一言、そう呟いた。


「る、瑠璃? だ、大丈夫ですか?」


 瑠璃の母、亜子は、実の娘の変わり果てた姿に、驚きを隠せなかった。

 亜子は、瑠璃に声を掛けるも、瑠璃は思わぬ形で答えた。

 瑠璃は刀を上げた。


「あ、あぶない!! 転生!」


 リンは危険を察し、桃色の戦士、エルフシーカーに変身した。

 猛獣となった瑠璃は、刀を思い切り振り下ろした。


「きゃああああああ!!」

「ぐわあああああ!!」


 斬撃がリンと亜子に命中してしまった。


「はぁ……はぁ……憎い……憎い!!」


 瑠璃は、我を忘れ、刀を振り回し始めた。

 その姿はまるで、見えない何かと戦っているようだった。


「瑠璃殿すまぬ! 『バインドマキシマム!!』」


 ダイヤが杖を振ると、地面がから輝く鎖が生え、瑠璃を巻き付けた。


「……2人とも!」

「大丈夫かいな!?」


 キセノンとラピスがその隙にリンと亜子を連れ出した。


「リンちゃん……大丈夫?」

「あ、アタシは大丈夫……それよりもルリルリのお母さんが……」


 亜子の足からは緋色の鮮血が流れ出ていて、その怪我の重さを物語っていた。

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