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第279話 歯が立たない

「よし、さぁ、かかってこい!! 私たちが相手だ! 行くよ!!」


 私たちが突撃を開始すると、向こうも息を合わせるかのように突撃してきた。

 私は刀を振り上げ、通り過ぎるように横向きに振った。

 すると、奴はそのまま崩れ落ち……煙となって消えた。

 よし、戦う前、リンから「リーパーは横の攻撃に弱い」ってアドバイス貰ったけど、その通りだったね。

 このままどんどん行こう!


「よっしゃ! どんどん行くぜ! うおおおおお!」


 ゴルドは先陣を切って斧を振り回し、リーパーを切り刻んでいっていた。

 ここまで気合いっぱいだと、こちらもやる気に満ち溢れてくる。

 私は体をコマのように回転し、辺りにいたリーパー共を殲滅した。


「おお! ルリルリやるじゃん! じゃあアタシも!」


 後方でリーパーを射抜いていたリンは、私に感化されたのか、四方八方に矢を撃っていき、奴らを煙に変えていった。


「おお……リンちゃん……すごい……」

「ほな、ウチらも頑張るで!」

「うん……踊ろう……ラピスちゃん……」

「お、踊る? 何言うてるんや?」

「……こう!」


 ふと、ラピスとキセノンの方に振り向くと、2人はお互い手を繋ぎ、社交ダンスのように舞っていた……しかも、ただ美しく舞っているだけではなく、蹴りを入れたり、途中でブレイクダンスみたいになったり……まるで踊りながら戦っているようだった。

 な、何やってるんだ? まぁ倒せてるみたいだからいいけど。


 この戦いは一見、私たちが優勢のように思えた……けど。


「こいつら、永遠湧くんだけど!?」


 奴らは倒しても倒しても、地面から這い出てきていた。

 死神って言うよりゾンビじゃないのこいつら!?


「……瑠璃ちゃん!」

「とりゃああああ!!」


 踊っていたラピスとキセノンが、私に向かって来ていたリーパーを蹴り飛ばした。

 あ、危ない……気が付かなかった……って。


「リン! 危ない!」


私はリンの下に近づいていたリーパーを切り裂いた。


「ルリルリ! ありがと……って危ない!」


リンは何かに気付いたのか、私の顔に目掛けて矢を撃った。

それは私の顔面スレスレを通過し……後ろに来ていたリーパーを撃ち抜いた。


「び、びっくりした……」

「ごめん! 大丈夫?」

「だ、大丈夫だけど……これじゃあ歯が立たない……」


 リーパーは次から次へと地の中から現れている……これじゃあ、こっちの体力が消えるだけだ。


「ゴル爺! 危ない!」

「え? うおおおお!?」


 リンが遠くにいたゴルドに向かって叫んだ。

 ゴルドの方を見ると、ゴルドはリーパーどもに包囲されていて、危険な状態だった。

 まずい……助けに行きたいけど、こっちも包囲されている……これは……どうしようもないのか!?


「誰か……誰でもいい……助けて!!」

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