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第278話 母の前で名乗り

「それじゃ、行くよ!」


 私たちは「転生」と掛け声を叫び、色とりどりの装甲を身に纏った。


『転生! 天下御免の探索者! ヒューマンシーカー!!』

『転生! ダンジョン探索は気力だ! ヴァンパイアシーカー!』

『転生! よっしゃ射抜いてラッキー! エルフシーカー!』

『転生! 踊るぜー止めてみな! サキュバスシーカー!』

『転生! でっかくなっても全力全開! ドワーフシーカー!』


 やかましい音声と共に、私たちは変身をした。

 よし、ここは気合を入れるためにも、名乗りを言いますか! 久々だしね!


「異界の探索者! ヒューマンシーカー、瑠璃!」

「射抜く探索者! エルフシーカー、リン!」

「美しき探索者! サキュバスシーカー、ラピス!」

「剛力の探索者! ドワーフシーカー、ゴルド!」

「鍛える探索者……ヴァンパイアシーカー……キセノン」

「「「「「ダンジョンを迅速にデリート!!」」」」」

「ダンジョン探索隊……「「「「アナザーワールズ!!」」」」」


 よし、決まった……。


「な、なんですって? 瑠璃、なんてはしたない……」

「今なんて言った!? はしたないって言ったよね! ルリルリに向かって!!」

「あ、いや……」


 リンは母さんの言葉が癪に障ったらしい……ここは止めないと。


「ほらリン、そういうのは安全地帯に行ってからでいいから、行くよ!」

「うん、わかった……いい? 仮にもお母さんなら、ルリルリのやってることは尊重して! わかった!?」

「あ、はい……」


 ……リン、なんでそんなに母さんに厳しいんだろうと思ったけど、よく考えたら、リンのお母さんって、娘の重いとか知らずに色々やったんだよね……友達を殺したりとか……だからそういうのに厳しいのかな?

 そんなことを考えつつも、私は母さんの腕を掴んで安全地帯へと誘導を始めた。


「ところで、ここのダンジョンモンスターだけど、あいつらってなんなの?」

「ここの……モンスターの名前……リーパー……」

「リーパー?」


 確か収穫者とか、死神って意味だっけ?


「あいつら結構手ごわいで、あの鎌でやられたら一瞬で致命傷や」

「ただし防御は紙同然だ、少し攻撃加えりゃ消える」

「へぇー……」


 私は歩きながら、ここのモンスター……リーパーについての情報交換を行った。



「ほら見て! あそこ! 安全地帯だよ!」


 リンが指を差した先、そこは廃墟のような西洋風のお城だった。

 なんか、周りがお墓なのも相まって、本当にお化け屋敷のようだった。

 だが、そんなテーマパークにあるようなものとは違い、そう簡単には通してくれないようだった。


「あかんな、安全地帯の前を陣取ってもうてる……」

「ここは……戦う……しか……ない」

「あんな奴ら、すぐにでも蹴散らしてやるよ!」


 みんなの言う通り、ここはやるしかないね!


「母さんはあそこに隠れてて!」


 私は後ろにあった大きい墓石を指差してそう叫んだが、母は混乱しているのか、向かおうとはしなかった。


「で、でも……」

「早くして!!」

「あ、はい……」


 母が隠れたのを確認した私たちは、武器を構え、戦闘態勢に入った。


「よし、さぁ、かかってこい!! 私たちが相手だ! 行くよ!!」

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