第277話 異世界人の嫌悪感
「な、なんなんですか貴方達は!?」
「落ち着いて、この人たちがさっき言ってた仲間」
「な、仲間?」
私は母さんにここにいる4人がどういう人たちなのか、どういう経緯で知り合ったのかを説明した。
「と、ということは、ダンジョン探索とやらで知り合って、一緒に住んでいるということか?」
「そういうこと」
「な、なんていうか……その……」
母さんは間近で見る異世界人に困惑している様子だった。
「ほらみんな、自己紹介してあげてよ」
「「「「……」」」」
「……みんな?」
4人は、いかにも嫌そうな顔をしていた。
「ど、どうしたの?」
「……なんかわからないけど、この人、バリ嫌い」
「琥珀はんがキレるってことは相当アレな人やろ」
「ワシは琥珀さんが嫌う人は嫌いだ」
「この人……無理矢理……瑠璃ちゃん……連れ出そうとした……嫌な……感じ」
……母さん、一体何をやらかしたんだ?
「何があったかは知らないけど、自己紹介ぐらいはしてあげてよ、みんな」
「うーん……ルリルリが言うなら……」
「しゃあないな、やったるわ」
「はぁ……気が向かねぇ」
「しかた……ない」
4人は母さんに目を向けた……本人はなんか怯えている様子だけど。
「……リン、よろしく」
「ラピスや」
「……ゴルド」
「キセノン……以上……終わり」
なんか、みんな淡白だな。
本当に何やらかしたんだ? まぁ大体想像つくけど……。
「あ、あのさ、何があったか知らないけど、とにかくこの人……母さんは一般人だから、安全地帯に誘導するよ」
「うん……」
「なんか納得いかんわ、でもまぁええか」
「しゃあねぇ、やってやるよ」
「うん……誘導……する」
私たちは、カードを取り出し、アプリを起動させた。
「それじゃ、行くよ!」
私たちは「転生」と掛け声を叫び、色とりどりの装甲を身に纏った。




