第275話 異世界人、応援着装!
「やるじゃないか慧ちゃん! 逞しかったよ!」
「そ、そそそそそそそそ、そうですか?」
「あぁそうさ! ……私も負けてられないね! 行くよ!」
琥珀は双刃刀を構え、リーパーの群れに向かって走り出した。
そのまま自分の腕の一部のように振り回し、
「な、なんか皆さん凄いですね……」
「そうだな……余たちも……」
「変身……したいです!」
アリス、ダイヤの2人も親衛隊の面々に感化され、さらに強くなることを願った。
そして……その願いは、すぐに叶った。
「お? 余たちのものにも……」
「おお……私、8番です!」
「余は9番か!」
2人は振動と共に光輝くボタンを押した。
『親衛隊、ナンバー8!!』
『親衛隊、ナンバー9!!』
音声と共に、アリス、ダイヤの2人の腰に、ベルトが巻きつけられた。
「おおお! すごいです!」
「うーむ、確か、瑠璃殿たちは何か掛け声を言っていた気がするな」
「か、掛け声ですか?」
「その通り! そうだなぁ……これなんてどうだい? 『応援着装』!! ほら、アリス殿も!」
「え、えぇ? お、応援着装!!」
2人は掛け声を上げ、ベルトの携帯電話を嵌めた。
『『親衛隊! 緊急変身!!』』
そんな音声と共に、アリスは銀色の光、ダイヤは虹色の光に包まれた。
『輝く親衛隊のエレメント! ナンバー8!』
『異世界の王! 親衛隊の王者! ナンバー9!』
音声と共に、2人は深緑の装甲に身に纏い、アリスは銀色のマフラーとサングラス、ダイヤは虹色の同様の装備を身に纏った。
アリスは銀色の杖、ダイヤは虹色の杖を装備し、2人は自分の姿をまじまじと見ていた。
「うわぁー……私たちも変身できましたよ! ダイヤさん!」
「うむ! 余は虹色か……これはいい! それでは名乗ろう!」
「な、名乗る?」
「瑠璃殿もやっていたやつだ! そうだなぁ、余は……『異世界の応援者! ナンバー9、ダイヤ!』……どうだい?」
「そ、そうですねぇ、じゃあ私は……『魔法の応援者! ナンバー8、アリス!』……どうでしょう?」
「うむ! 素晴らしいぞ!」
「そ、そうですかね?」
アリスは恥ずかしくなり、頭をかいた。
「す、すすすすすす、凄いです! お2人も変身できたなんて!」
「慧殿も素晴らしいぞ!」
「そ、そうですか? う、嬉しいです!」
ダイヤは変身した慧を讃えるように、頭を撫でた。
「と、とにかく! 私たちも戦うよ!」
「は、はい!」
「後方は余とアリス殿に任せよ!」
「い、いいいいいい、行きます!」
4人は武器を構え、リーパーの群れへと走り出した。




